アメリカへの国境越えは、めんどうなことになるかもしれない、と覚悟していた。なぜなら、この車は、巨大なエスプレッソマシンみたいな、ステンレス製のバイオディーゼル精製機を積んでいるから。
9-11以来、アメリカのホームランドセキュリティーは厳しさをきわめている。この不可解なプラントを見て、誰かが被害妄想で一度疑い始めたら、どう説明しても簡単には通過できないだろう、そう思っていた。しかし実際に着いてみると、国境の審査官からは「カッコいい車だなぁ。」と拍子抜けするような反応が返ってきた。なんと言うこともなくすんなりとアメリカ入りできたのだ。 |