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第16回 「旅で出会った心のもてなし」

すでにロシアは雪が降り始めてきた。今まで4万キロ近く走ってきたが、ここまで来るのに沢山の方たちに支えられてきた。あまりにも多くの出会い、そしてドラマがあったのだが、今回はそのなかでも特に印象に残っている3組のファミリーを紹介したいと思う。

まず、今年6月ポルトガルでアメリカから送ったバスコファイブを受け取るとき問題が数々あったのだが、それを解決してくださったのが宮川ご夫婦だった。奥さんのイダリナさん、そして旦那さんの宮川さんは娘さん2人とデザイン事務所を経営しているデザイナーだ。今回通関で問題が発生したとき、娘さんの旦那さんたちも、飛んで助けにきてくれる。ほんとうになにからなにまで、このプロジェクトに家族ぐるみでサポートしていただいた。宮川さん本人も人付き合いがよく、好奇心旺盛な方で車、サッカー、空手など多趣味で空手も教えている。彼らと半月近く過ごす事で家族の絆の大切さ、そしていかに楽しく、有意義に日々を過ごすかということを教えられた。彼らがいれば不可能なことがないのでは、と思えるほどポジティブで、そしてやさしいエネルギーに満ちた一家だった。


もうひとつはペンションを経営するカップル。僕らは夜中にブダペストについて宿が見つからず、いきなり電話したにも関わらず、嫌な顔一つせず快く泊めさせていただいた。夜中だというのに明朝まで電気を借してもらえ、さらに燃料を作るのを手伝ってくれたのだ。ペンションの主はハンガリー人の女性で日本語を話すエルジェーベトさん。男性は竹崎さんと言う四国出身の方だ。もうすぐ籍をいれるという。竹崎さんは、仕事でハンガリーに長く滞在していて20年来のつきあいになるという。昨年ガンになってしまい、日本で闘病生活をしていたところエルジェーベトさんが日本に駆けつけ、数ヶ月のあいだ看病したそうだ。看病の甲斐あって竹崎さんは快方に向かったものの、エルジェーベトさんが日本にビザなしでいられる期間が過ぎてしまい、もう少し一緒にいたいという思いをかなえるべく、籍をいれることにしたのだそうだ。もうすぐこのペンションを売り払い、高知で2人で仲良く暮らすそうだ。

最後のカップルはノボシビルスクでお世話になった夫婦だ。夫はイゴルといい、職業はプログラマー。妻はアンナ、英語が得意。二人とも28才で旅行が大好き。毎年、彼のオフロード車でモンゴルやカザフスタンなどを旅行をしている。オフロードマスターという4輪駆動車のクラブから紹介してもらい彼らと知り会ったのだが、初めて会ったとは思えないほどの温かいもてなしを受けた。さらに彼らのガレージやアパートを提供していただき、油も自ら探してくれ、頼まなくてもどんどん動いてくれた。後でわかったのだが、2人とも会社を半日休んで僕らの為に油集めに動いてくれたこともあったようだ。こんなに気持ちのいい人達がいるのか、というくらい2人は楽しそうに、そして一生懸命できることをしてくれる。彼女の英語を頼りに会話するのだが、彼らといるとなぜか、なんでも楽しいのだ。彼らは実家に行って泊まり、夕食は彼らの両親と一緒にご馳走になった。6人で食卓を囲んで旅のこと、ロシアのことなどを話した。物理的な事より彼らと過ごした時間が、かけがえのない貴重なものに思えた。彼らの暖かい心に触れたことが、この旅の収穫だったように思う。

いつも仲のいい2人、一つ一つに心がこもったもてなし。彼らから多くの事を学んだように思う。雪が降り始めたノボシビルスクで彼らの暖かさについて考える今日この頃だ。これからシベリアを越えることになるがどんな素晴らしい方達にまた会うのだろう。

(続く)

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