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第17回 「大都市では、レンタル自転車が大流行」

お陰さまで地球の行く先々で出会った多くの方達からいただいた油が車を走らせるエネルギーとなって、ついに12月1日東京に戻って来れました。およそ1年をかけて約48,000キロを走って地球一周が達成できました。本当にご声援ありがとうございました。

この旅の目的には、バイオディーゼル燃料の実験ということだけでなく、健康で気持ちよく生きるためのライフスタイル、新エネルギー、文化などをリサーチし、学ぶということも含まれている。今回バスコファイブで通過した都市部はどこも大渋滞。都市部に入ると、やっと作ったバイオディーゼル燃料が2倍の早さで消費してしまい、最も走りたくない場所が都会だった。燃費が悪く、二酸化炭素の排気ガスを最も多く排出しているのがこの都会なのだ。そこで、環境に配慮した世界の主な都市で、いろいろな対策が進んでいる。今回はそのことについて触れてみたいと思う。

都会に入ると駐車スペースが足りず、いつも駐車するのが困難だった。そして、大渋滞と騒音。これでは車の本来の機能が失われてしまっている。特にモスクワの渋滞はすごい。たかだか10kmを進むのに2時間半もかかってしまう。レストランを数軒まわって廃食油を集めるのに1日かがりでクタクタになった。道が混んでくると歩道を車が走っているのにはビックリした。自動車交通の増大による慢性的な渋滞の発生、大気汚染問題、交通事故の増大などは、世界的に共通の課題といえるだろう。

パリやバルセロナでは、環境に配慮した都市づくりの試みとして街のあちこちに自転車の貸し出すステーションがあり、費用も安く、駐車の心配もない。例えば、パリ市内には1,450の特設駐輪場と2万台の自転車が用意され、中心部ではほとんど300mおきに設置されている。登録料は1日1ユーロから。1週間だと5ユーロ、1年で29ユーロとなっている。実際に使用する際には、30分までは無料で、その後、1時間1ユーロ、1時間半3ユーロなのに対して、2時間になると7ユーロになる。好きなところで足代わりにして、返すのも簡単なのでとても利用者が多い。なんていったって自転車は無公害だし、電車や地下鉄と併用すれば混雑した街で渋滞にはまる心配はない。
(2008.12月〜2009.1月 1ユーロ約 120円前後)

また、ロンドンの中心部では混雑賦課金(Congestion Charging)制度が導入され、このゾーンに入る交通量を規制する処置が2003年から行なわれた。混雑賦課金制度とは、ロンドンの中心市街に乗り入れる車1台について、1日5ポンドの料金を課すという制度。賦課されるのは、休日を除く月曜から金曜の午前7時から午後6時30分までの間に賦課対象となる地区内約21km2を運転した自動車だ。ただし、オートバイ、自転車、タクシー、レンタカー、ブルーバッジ(身障者認定証)所有者の自動車、特定の代替燃料仕様車、バス及び緊急車両などは賦課されない。導入後、ゾーン内乗り入れ車両数は1日当たり5万台減少し、その大半は公共交通機関、自転車、スクーター、カーシェアリングなどにシフトしていて、ゾーン内へ入る人数の減少は約4,000人だという。公共交通は利用者の増加に対応し、バスの運行状況は賦課金の効果により改善されているという。世界の大都市で実質的に市内の交通混雑を減少させた初の都市しても有名だ。

海を渡ってアメリカのオレゴン州ポートランドのダウンタウン内ほぼ全域が公共交通機関が無料なのだ。おまけに自転車ごと電車に乗れて、自転車専用のラックまで車内に用意されていた。公共交通機関とは、MAXと呼ばれている路面電車、Trimet(トライメット)と呼ばれている市バス、そしてStreetcar(ストリートカー)と呼ばれている路面電車の3種類がある。チケットはすべて共用だ。1986年に環境問題を重要視してダウンタウンに入ってくるマイカーを最小限に食い止める事が目的で、ポートランド市が新しく路面電車を建設したという。それが、開通と同時に、市当局の予想をはるかに越えた利用者があり、効果抜群だという。実際に電車を利用してみたが、バリアフリーで清潔、広々としていて本当に乗り易かった。

 

それぞれの国や地域で、車両を規制して公共交通機関を増やし、環境問題、渋滞の解消、エネルギーの節約、精神的なストレスからの解放などに取り組みが始まっている。国や市の計らいで自転車や歩く機会を増やすことで、公害を生まず、交通渋滞から生じるストレスから開放されて、街の景色を楽しみながら移動できるいいアイディアをもっと取り入れていって欲しいと思う。日本もこのような取り組みに力を入れ、車の交通量が減っていき、新鮮な空気を思いっきり吸って自転車で移動できる日が来るといいのだが。

(続く)

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