価格や生産性ばかりを重視したもの作りではなく より高品質な商品を作るため 職人の手仕事を大切にしたい。

鉄器を作るには、砂で鋳型を作ります。そこに溶かした鉄を流し込み、冷やして固まったら型をばらします。鉄器から砂を落とし、グラインディング(バリ取り)、などの仕上げを経て、ようやく完成です。工場には多くの機械を取り入れていますが、機械が作ってくれるわけではありません。機械の手を借りて人間が手作りしているという感じです。例えば、鉄を溶かすのはキューポラという溶解炉等を使いますが、鉄を鋳型にそそぐのは人。状況によって微妙に異なる鉄の温度や注ぐスピードを調整するのは職人の腕にかかっています。つまり私どもの鉄器は、それぞれの工程を専門で手がける、熟練した職人たちの手によって作られているんですね。S.S.のクラフツマンワークトップも、8割が職人の手作りだそうですね。まさに“職人づくりの最高級キッチン”! 機械化しやすいデザインで、効率よく、安価に生産することが主流のメーカーもあるでしょうが、品質を高く保つためには職人の技術が必要なんだなあと、改めて思いました。人の手が残っている商品というのは、機械だけでできたものより、信念や心が感じられて人を惹きつけるものだと思います。

伝統技術の継承があってこその南部鉄器だから未来の職人育成に力を注いでいます。

S.S.のクラフツマンワークトップを仕上げられる技術者は、わずか数名だとお聞きしました。技術者育成にも力を注いでいるそうですが、そう容易なことではありませんよね。
私たちにとっても、技術の継承は大きな課題です。鉄器作りを支える職人の技を次世代に伝えていくことは、未来への遺産でもあります。伝統の技術があってこその南部鉄器であり、世界での存在価値があるのだと考えているからです。でも地元の生産者たちにとって職人の技は世襲的なもので、跡継ぎがいない場合は貴重な伝統技術が絶えてしまう……。それに気づいたとき、さーっと血の気が引きました。技術は知っている人が常にいないと、絶えてしまいます。産地の未来のためには、産地が頑張らないといけない。そこで、江戸時代から続く伝統技法の継承者を育成するプロジェクトを主体的に立ち上げました。現在も若手2名が手作業での鉄瓶作りを学んでいます。彼らの作るものが商品として世の中に出せるようになるまでには最低5年はかかりますが、私たちの継承すべき伝統と文化、技術を未来に繋げることが、私たちの責任でもあり、またお客様の信頼に答えることだと信じています。

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