ヨーロッパから地中海を渡り、サハラ砂漠を縦断する地球規模の冒険ラリー「ユーロミルホー・ダカール2006」(通称:パリダカ)に、プレスとして今年もまたラリーカーを仕立てて同行した。このラリーとの出会いは、僕が25歳のころサハラをバイクで単独縦断したときにさかのぼる。以来毎年のようにこのレースを追い続けている。
「なぜ、危険なサハラに行くのか?」「どうしてそんな地球の果てに行くのか?」などと聞かれることがある。確かに、アフリカ大陸は日本の約80倍、サハラ砂漠だけでもおよそ20倍もある広大な土地だ。そこをバイクや車で走ることは海に小舟を浮かべるようなものだが、刻々と変化する砂の大海原をイルカのように縦横無尽に走れる喜びは、他では味わえぬ素晴らしさがある。サハラ砂漠には雪が積もる山脈もあれば、グランドキャニオンのような大渓谷もあり、ダイナミックで美しい大地なのだ。また、レーススタート地のヨーロッパから北アフリカに渡り、サハラを縦断して、ニジェール川を渡り西海岸に到達する約9,000kmの道のりで出会う人々との触れ合いも、もう一つの楽しみである。 |