砂漠での食事はキャンピングカーに積んだ水を大切に使って作るのだが、内容は簡単なステーキやパスタが中心。そんな食事にそろそろ飽きてきたころ、仲間の女の子が冷やし素麺をつくってくれた。
灼熱の砂漠で冷やし素麺を食べた時は感動もの。仲間たちは日焼けした顔に満面の笑みを浮かべて素麺をお代わりする。冷たい水がたっぷり使えることの幸せ、水の美味しさを改めて味わった瞬間。
命を生かすこの砂丘は僕にとって自然界のリビングでもあり寝室でもある。何もないと思う砂漠での生活も見方を変えればすべてを手にいれられる魔法の空間。
砂と友だちになれば最高の住居に早変わり、やっぱり砂丘はやめられない。
「生きてて良かったー!」とつい叫んでしまいたくなる。なにもないところだからこそ水や食の存在、人の存在、命が浮き立つ。日本にいるときには「気にもとめなかったあたりまえの体験一つ一つが大きな意味のあることに気づかされる。食後は食器を砂で洗うのだがこれが綺麗に簡単に汚れが落ちるからすごい。砂はとても清潔で神聖なものなのだ。そうそう砂丘の上で寝袋を広げて360度全開星空を見て寝るのは最高に癒される時間。 |