研究所
Researcher
独自性のある新技術を開発し
新たな価値を創造する
INTERVIEWEE
中尾 敏也
クリナップ研究所 研究グループ 係長
明治大学 理工学部建築学科卒
1999年入社
クリナップ独自の技術を生み出し
新たな価値を提案する
クリナップは、「ステンレス」や「アクリル系人工大理石」などの素材に注目し、水回りの製品の価値を高める新技術開発に長年取り組んできました。ステンレスにセラミック系の親水性特殊コーティングを施して汚れ落ちを強化した「美コート」は、その一例です。長年の研究により、「水拭きでも油が取れやすい」「頑丈で水や熱に強く、錆びにくい」など、独自の付加価値をつける加工技術を多数有しています。
研究所は、これら当社のコア技術に関する研究を担う部門です。在籍メンバーが、それぞれ複数のテーマをもって研究に取り組んでいます。
研究職は、さまざまな商品に生かせる技術を研究・開発します。どのテーマも基礎研究から応用研究、実用化研究と段階を追って、研究活動をしています。
研究所には、化学系や機械系、電気・電子系、さらには建築系など、大学でさまざまな学問を学んできたメンバーが揃っています。一つのテーマを複数のメンバーで担当するため、多種多様なバックグラウンドを持つメンバーとディスカッションをすることができます。もちろん、自分が担当しないテーマについて、意見を求められることもあります。このようなディスカッションは非常に刺激的で、研究職の面白さの一つだと感じています。
この世にない技術を自分の手で生み出す
かけがえのないやりがいがある
研究を続けていくと、壁にぶつかることも多々あります。求める付加価値を出すために予測を立てて検証試験を行っても、データを見ると予測通りの結果にならない。これは、理系の学生さんなら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。私たち研究職も同じで、常にトライ&エラーの繰り返しです。予測を立てて実験を行い、結果を見て予測を修正し、新たな条件で再度、実験を行う――。
こうした繰り返しにより、求める結果に近づけていくのです。
学生時代と現在の仕事の違いを挙げるとすれば、時間の制限があることでしょう。学生時代は時間を気にせず研究に没頭していましたが、今は限られた期間内に求める新技術を完成させなければ、後工程の方たちに迷惑をかけてしまうからです。このように、粘り強く研究を続けていく姿勢が求められますが、求める新技術を出せた時の喜びは格別です。研究職には、自分たちの手で「この世にない新しい技術」を生み出すという醍醐味があります。
また、ものづくりのプロセスにおいて、研究職は最上流に位置します。エンドユーザーと接する機会は多くはありませんが、それでも私たち研究職は「お客さま目線」を忘れません。企業理念に「家族の笑顔を創ります」に掲げていることからもわかるように、研究職をはじめすべての社員が「お客さまにとってより良い商品」について考え、それをカタチにしていくことを使命としています。
好奇心を持って前向きに研究に取り組む若手社員の成長を
心からうれしく思う
1995年、阪神・淡路大震災が発生。当時、受験生だった私は、「災害に強い建物について研究したい」という思いを抱いて建築学科に進学しました。やがて、建築に関わる授業を履修するうちに「住み心地」や「室内の環境」に興味を抱くようになり、室内の空気環境について研究しました。「大学で学んだ空調に関する知識を生かして、より快適なキッチンやバスルームを提供できたら」と願い、水回りの専業メーカーであるクリナップに入社しました。
入社から20年以上が経ちますが、「ものづくり」を担うやりがいは今も昔も変わりありません。自分が携わった技術が採用され、最終製品となって市場に出ていくときは、大きな達成感がありますし、そのたびに「生涯、ものづくりに携わっていこう」と決意を新たにします。
研究職には、未知の領域であってもどん欲に知識を吸収していく「知的好奇心」や「チャレンジ精神」が求められます。研究所に配属された若手社員はいずれも前向きで、臆することなく意見をぶつけてくれるので、とても頼もしいですね。私自身も一人の研究職として「負けていられないな」と思いますし、これから先も、あらゆる仲間と切磋琢磨しながら互いに成長していくことができたら、これほどうれしいことはありません。
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