クリナップが子どもたちの想いとアイデアに向き合う
~未来キッチンイラストコンテスト 審査レポート~
2023年初開催となった「未来キッチンイラストコンテスト」。
全国の小学生から寄せられた3,003作品。
そこに込められた、子どもたちの未来への想い、アイデア。
大人には想いもよらない斬新な視点、
おうちの方、そして地球の未来を想いやる優しさにあふれています。
時にアツく、時に楽しみながら、
大人たちが1つ1つの作品と真剣に向き合う姿をご覧ください。
結果発表
未来キッチンイラストコンテストへのご応募、誠にありがとうございました。3,003通という大変多くの作品をいただき、ご協力いただきました先生方、保護者の皆様には、深く御礼申し上げます。
厳正なる審査の結果、以下の通り各賞を決定いたしましたので、ここに発表いたします。
なお、最優秀賞受賞作品は、クリナップ株式会社と武蔵野美術大学による「未来キッチンラボ」が立体的なモデルに仕上げ、受賞の記念品としてプレゼントしました。授与の様子を動画で公開しております。審査の模様と合わせてご覧ください。詳細はこちらをご覧ください。
★★★最優秀賞1名
千葉県千葉市立土気南小学校
3年 西岡 蓮 さん
このきょうりゅうロボットは、ペットボトルなどのゴミを食べてエネルギーにかえて、どこにでもいどうできます。食品ロスをなくすためにほしいときにお魚やたまごのボタンをおすとすぐにとどけてくれます。野菜などの生ゴミはひりょうにかえておいしい野菜がそだてられます。ロボットがおりょうりのお手伝いをしてくれて、牛にゅうやジュースはいつでものめます。自ぜんにやさしくてみんながたのしめるようなキッチンが、あったらいいなと思いました。
3,000作品の中から、最優秀賞に選んでいただいて光栄です。僕が考えたのは、自然にやさしくみんなが楽しめるキッチンです。ニュースを見ていたときに、戦争が起こってごはんが食べられない人がいるのを知って思いつきました。恐竜ならどこにでも行けるので、ごはんを食べられない人に食料を運ぶことができます。食品ロスや戦争のない未来にしたいです。
インパクトがあるだけでなく細かく丁寧に描かれており、色づかいもとてもきれいな作品。見ているだけで楽しくなります。“エコな”恐竜という切り口は、審査員全員が、大人では思いつかない新しいアイデアだと驚きました。ペットボトルをエネルギーに変える、食品ロスをなくす、生ごみのリサイクルなど、SDGsの視点も具体的にしっかり組み込まれていますね。
完成した立体モデルは、恐竜が資源を再利用することをイメージしたつぎはぎの皮膚やペットボトルを食べている様子、また、昇降式キッチンや生ごみを肥料にする仕組みなど、優しさがテーマとなっている作品の細部までこだわり抜いて、作り上げられました。
★★優秀賞各部門6名
総計18名
※五十音順
低学年部門
中学年部門
★★★学校団体賞全国から
5校・団体
秋田県秋田市立
河辺小学校
受賞校からのコメント
全児童が家庭との協働の下、自由な発想で取り組みました。受賞に感謝申し上げます。
今回の応募が、本校児童に必要な、社会的変化が激しいこの世の中を生き抜くための開拓力や創造力の一端となることを期待します。
栃木県那須塩原市立
東小学校
受賞校からのコメント
本校児童は、温暖化防止や改善についての理解・関心が高く、「SDGsを具体的な形に表すアイデア」に思いを巡らし、自分が具体的にどう関わることができるかを真剣に考えることができました。
京都府南丹市立
園部小学校
受賞校からのコメント
「未来のキッチン」というワクワクするテーマに、5年生がチャレンジしました。「食」「感謝」「環境」「最先端技術」「SDGs」など大切にしたいさまざまなことを、心を込めて表現することができましたね。力作がそろいました。
大阪府大阪教育大学附属
天王寺小学校
受賞校からのコメント
素敵な賞に選定いただけたこと、大変光栄に思います。毎日元気いっぱいの本校の子どもたちにとっても、“食べること”は、遊ぶこと、そして学ぶことと同じくらい大切なものです。受賞をきっかけに、キッチンをより身近なものに感じてほしいです。
大阪府大東市立
諸福小学校
受賞校からのコメント
2年生の子どもたちにとって、タブレット、PCでインターネットからいろんなキッチンを調べることで、環境に優しく健康にもよい未来のキッチンに楽しく思いをめぐらせる学習の機会となったようで、本当にうれしく思います。
クリナップが子どもたちと一緒に取り組み考えたいこと
~「キッチン」から、未来やSDGsについて考える~
クリナップがキッチンを通してどんな未来をつくることができるかを
子どもたちと一緒に真剣に考える場として
そして、子どもたちが自由な発想でイラストを描く場として
「未来キッチン学習会」を実施しました。ぜひご覧ください。
審査員講評
審査員長
武蔵野美術大学 ソーシャルクリエイティブ研究所 特別研究員・
Xデザイン研究所共同創業者
Smile Experience Design Studio代表
山﨑 和彦
Kazuhiko Yamazaki
どんな作品が寄せられるのだろうと、初めてのコンテストを実施する期待と不安がありましたが、想像と想いを超える作品ぞろいで本当に驚きました。子どもたちが、自分の「想い」と「家族」を中心に置きながら、社会課題を解決しようと一生懸命考えていると感じられ、私が教えている学生、そして大人たちもここから学ばなくてはならないと気づかされます。子どもたちがこんなに深く考える機会となったこのコンテストに、大きな意義を感じました。
【プロフィール】 京都工芸繊維大学卒業、神戸芸術工科大学大学院博士(芸術工学)号取得、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程単位取得満期退学。千葉工業大学創造工学部デザイン科学科教授、武蔵野美術大学教授を経て現職。グッドデザイン賞審査委員、経産省デザイン思考活用促進検討委員会座長等を歴任。
審査員
笑下村塾代表取締役・時事YouTuber
たかまつ なな
Nana Takamatsu
想像していた未来キッチンのイメージをはるかに超える子どもたちの作品に、とても驚かされました。車いすの方、料理が得意ではない方、外国籍の方などにも思いをめぐらせ、 工夫する作品、AIやロボットという技術で新しいエネルギーをつくる、大人が思いつかないアイデアを表現している作品は、社会課題の解決につながるのではないかと思います。ひとつでも多く実現できることに期待しています。
【プロフィール】 時事YouTuberとして、政治や教育現場を中心に取材し、若者に社会問題を分かりやすく伝える。18歳選挙権をきっかけに、株式会社笑下村塾を設立し、出張授業「笑える!政治教育ショー」「笑って学ぶ SDGs」を全国の学校や企業、自治体に届ける。著書に『政治の絵本』(弘文堂)『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』(くもん出版)がある。
白百合女子大学 教授・上智大学 名誉教授
平尾 桂子
Keiko Hirao
オートメーションと環境配慮が、未来のスタンダードになることを小学生が気づいていることに驚きました。一つ一つの作品から、それぞれのご家族の様子が立ち上がり、その中で、「かけがえのない存在」として愛されている子どもたちの姿を感じます。先行き不透明な世界情勢の中で、大人は未来を語ることをためらいがちですが、発想豊かな子どもたちのアイデアと他者へのおもいやりに励まされ、心が温かくなる審査となりました。
【プロフィール】 上智大学大学院国際関係論専攻修了(国際学修士)、University of Notre Dame社会学博士修了(社会学Ph.D.)。2023年から現職。専門は社会学。家族と社会がサステナブルであるためには何が必要かを考えることが研究テーマ。ジェンダーと環境、気候変動に関するメディア分析、環境問題としての人口問題、異世代間関係などに取り組んでいる。
料理研究家
行長 万里
Mari Yukinaga
カラフルな作品の色を見たとき、子どもたちにとってキッチンはこんなに楽しい場所なんだ!と感じ、とてもうれしくなりました。自分のうちのキッチンをモデルに、今ある課題や足りないものを思い浮かべながら、おうちの方と相談している、自分で調べている様子が目に浮かびます。レシピを考えるのが大変だからロボットに考えてもらうなど、おうちの方へのやさしさにあふれているキッチンです。家の中心はこれからの未来も、キッチンであってほしいと改めて思う機会となりました。
【プロフィール】 女子栄養短期大学卒業。料理学校の助手を務めた後、フリーで活動開始。料理教室講師等を経験し、知識や理論以外の実践派の料理の腕を磨く。TV番組、雑誌、CMにフードコーディネーターとして活躍。食品ロス講演、料理教室を全国で展開中。
クリナップ株式会社 常務執行役員 開発担当
藤原 亨
Toru Fujiwara
弊社の企業理念「キッチンから、笑顔をつくろう」を、まさしく体現するような子どもたちの作品は、社員には思いつかないアイデアばかりです。キッチンメーカーとして参加し、大きな財産を持ち帰る機会をいただいたことをうれしく思います。と同時に、3,000を超える子どもたちの「未来への想い」をお預かりする責任を改めて感じています。形にするまでにはお時間をいただきますが、温かく見守っていただけますと幸いです。
【プロフィール】 1989年クリナップ入社。キッチン、バス、洗面化粧台等のデザインならびに商品開発に従事。2021年より現職。