米びつは従来、キッチンとは別の場所に保管されるのが通例でした。流し台と一体化することで、炊飯時の手間を減らすことが可能になりました。
この年は、商標「クリナップ」が誕生した年でもあります。
当時、ヨーロッパでは1枚のワークトップを用いたオーダーメイドのキッチンユニットが主流でした。そこから着想を得たクリナップが日本向けに改良。「システムキッチン」と名付け、国内市場で販売しました。
簡易施工型は部材型に比べてシンプルな構造のため、よりリーズナブルな価格での提供が可能に。そのため従来は多くの人にとって遠い存在だったシステムキッチンが、より身近になりました。当時のキャッチコピーは「買えちゃうシステムキッチン」です。
足元まで収納可能な引出し収納「フロアコンテナ」を開発。キャビネットは観音開きで、しゃがみこんで使うものだという、それまでの常識とは全く異なるキッチンは、革新的な試みでした。
キッチンの躯体そのものをステンレス製にしたステンレスキャビネット。
最高級モデルのみに採用していたこの仕様を、素材と構造の工夫で木製キャビネットと同価格で実現。湿度の多い日本の気候に適したキッチンを広めました。
創業70年に向け、より高い価値を目指し主力システムキッチン2シリーズを新ブランドへリニューアル。暮らしの真ん中に置きたくなるデザイン。核心を求め続けた素材と機能。クリナップのステンレスキャビネットキッチンは新章へと向かいます。
それまで日本で主流であった箱膳に代わって、座卓が普及しました。個人の食事があらかじめ配膳されている様式から、複数人で食事を分け合う食事様式に変化していきました。
一人あたりの米の消費量が戦後最高量になりました。当時の家庭では、ほとんど毎日、多くの人にお米が食べられていました。
高度経済成長期を経て、冷蔵庫が一般家庭に普及し、食材の長期保存が可能に。食卓で、新鮮なサラダが手軽に親しまれるようになるなど本格的に欧米化が進みました。
米や魚の摂取量が減少する代わりに、肉や乳製品が食卓によく登場するようになりました。一般家庭での調理もバリエーションが豊かになり、道具や機器も進化していきました。
共働き世帯数が、専業主婦世帯数を上回り、食を取り巻く環境に大きな変化がありました。個食・孤食・中食・内食など、食事のスタイルは多様性を帯び、調理道具やストック食材など収納物も増えていきました。
ワーク・ライフバランスという言葉が浸透し始め、個人の時間の使い方が重視されるようになりました。家族や友人と過ごすことが多くなる人も増え、食事も「シェア」できるものが好まれるようになりました。