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第8回 「ワールドソーラーチャレンジ〜オーストラリア大陸縦断〜」
オーストラリア大陸のダーウインに世界各国からソーラーカーやエコカーが集結した。温室効果ガスによる地球温暖化が叫ばれる中、二酸化炭素を押さえ、いかにエネルギーを節約して3000kmを走れるかを試すワールドソーラーチャレンジに参加した。今回はその様子をお伝えしよう。
バイクのエンジンはヤンマー製400ccのディーゼルエンジンと、ジェットスキー用のオートトランスミッションを使用
バイクのエンジンはヤンマー製400ccのディーゼルエンジンと、
ジェットスキー用のオートトランスミッションを使用

10月21日から28日にかけてオーストラリアで行なわれた第20回パナソニックソーラーチャレンジに出場してきました。ソーラーチャレンジと言ってもソーラーカーに乗るのではなく、その中に「グリーンフリートクラス」というバイオエネルギーや燃料電池などの新しい技術を使った車などで競う部門にバイオバイクで参加しました。このクラスにはエンジンオイルなどの廃油を利用して走る車や燃料電池、バイオエタノール、バイオディーゼル燃料で走る車など色々です。

バイオディーゼル燃料を給油する様子
バイオディーゼル燃料を給油する様子

バイオバイクとはディーゼルエンジンのバイクにバイオディーゼル燃料を使って走るバイクのことです。ディーゼルエンジンを搭載したバイクは現在のところ一般に市販されていません。そこでこのバイクは色々なパーツを寄せ集め手作りで作られたもので、公道を走れるライセンスを取得しているという意味でもこの世に一つしかないバイクと言えます。 バイオバイクはアデレード大学の学生達が制作し、僕はパリダカをバイクで走ったことと普段からバイオディーゼル燃料を使っている経験を買われてチームのライダー兼アドバイザーとして関わることになりました。

今回レースの走行距離はダーウインからアデレードまで約3000km、およそ気温45℃にもなる過酷な砂漠地帯を走り抜ける厳しい環境で行なわれた。このソーラーチャレンジの目的は、自給自足の原則を守る交通手段に世間の注意を引き、それに関する教育と技術を盛り立て推進することだという。「グリーンフリート」クラスが設けられたのは2001年、ソーラーだけにこだわらず、新しいエネルギーの実用化を発表する場として、また実用性のあるエコカーが求められるようになってきたからだろう。

修理に夜も更ける
修理に夜も更ける

ダーウインからアデレードまでの道はほとんど信号もない一本道なのだがバイオバイクの運転は簡単なものではなかった。熱風の中を走っていると喉が乾き、振動が大きいためだんだんと手がしびれてくる。燃費をよくするために姿勢を寝かせて空気抵抗を減らすように心がけるが、けっこう風が強く何度か飛ばされそうになった。さらに突然ブレーキが効かなくなったり、振動でナットが外れるなど、トラブルは何度もあったがその度に道ばたにバイクを停めて学生達と修理を重ねた。この7日間彼らと寝起きを共にし、苦労を重ねたことでゴールについたときは本当に感激だった。またゴールも大切だがそれ以上に彼らとできた絆がかけがえのない宝となった。

ウルル(エアーズロック)で記念写真
ウルル(エアーズロック)で記念写真

この試みでバイオディーゼル燃料を使って走るディーゼルバイクとして世界で初めて公式レースを通してその記録が歴史上に残ったことになる。さらに表彰式では環境改善に一番貢献したというグリーンフリートクラス最高のクリーン燃料賞である「環境プロフィールベスト賞」を受賞。この記録は主催側スタッフの厳重な監視のもと燃料の給油量や走行距離など計測されたもので他のグリーンフリートクラスの車両と比べて二酸化炭素(温室効果ガス)の排出量を、1kmにつきわずか71gに抑えたこと、燃費も100kmにつき3.5とダントツの好数値を記録した。小型のディーゼルエンジンが、過酷なロードテストに耐え、バイオディーゼルバイクは地球環境にとって優しいという事が証明された。今後もこのようなイベントを通して、もっと新しい技術や発想で環境に配慮した新しい車社会ができるきっかけとなることを祈りたい。

パナソニック・ワールドソーラーカーチャレンジとは

今年で20回目を迎えるワールドソーラーカーチャレンジはデンマーク生まれのハンス・ソルストラップの提唱で始まったイベントで、二年に一度開かれる格式のある大会です。20回を迎える今年は17カ国、57チームがエントリーし、チャレンジ史上最多の参加数となりました。チャレンジの目的は、自給自足の原則を守る交通手段に世間の注意を引き、それに関する教育と技術を盛り立て推進すること。オーストラリア、ノーザンテリトリー州ダーウィンから、南オーストラリア州のアデレードまで、全行程約3000キロ。スピード保持と耐久性のバランスが、レースの鍵と言われる。

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