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第19回 「天ぷら油が教えてくれたエコライフ」
走行時、エンジンの回転数を2000回転以下に抑えて走ったときの一番燃費がよかった。
走行時、エンジンの回転数を2000回転以下に抑えて走ったときの一番燃費がよかった。

僕は25歳のときバイクで初めてアフリカへ旅立って以来、世界を旅するということに魅せられてきた。異文化に触れたり、地球がどんなところなのか、どんな人達が住んでいるのか、それを肌で感じる楽しさがあるからだ。

廃食油の濾過から燃料精製と40リットルのバイオディーゼル燃料を作るのに1〜2日かかる。
廃食油の濾過から燃料精製と40リットルのバイオディーゼル燃料を作るのに1〜2日かかる。

しかし、今回の旅は今までのものとまったく違ったものだった。普段、僕らはお金さえ払えば、燃料を簡単に手に入れることができるし、水や食料だって手に入る。このプロジェクトは、車に入れる燃料を自分で作る事から始まる。まず行く先々で燃料の元になる廃食油をさがし、それを濾過してから車に乗っている燃料精製機に入れ、フィルターを使って一回で40リットルのバイオディーゼル燃料を作るのに1日から2日費やして作ることになる。時には徹夜で燃料を作ることもあるが、それで走れる距離はたったの300kmに満たない。大陸を時速100kmで走るとたった3時間で燃料がなくなってしまうのだ。地球一周した全走行距離は、約48,000kmだったので、そのことを考えれば気が遠くなるほど燃料を作るのに時間がかかるというわけだ。

だから、毎日どうしたら少しでも長く距離を走れるだろうかと試行錯誤する。いろいろ試した中でエンジンの回転数を2,000回転弱に抑えて走っているときが一番燃費がいいことがわかった。燃費を気にしないで走っていた時よりも30〜50kmほど走れる距離が違ってくるのだ。5km、10km進める距離が違うだけで、その日たどり着けるはずだった町に、着けないことだってある。ハイウェイの真ん中で立ち往生ということもありうる。長い信号待ちではエンジンを切ったり、できるだけエアコンやヒーターを使わない努力をした。そのうち宿泊先から近くにレストランやコンビニがある場合は、わざわざ車を使わないで歩くようになった。面白いもので一つ、目覚めると他の事も連鎖的に気になるようになった。泊まった宿やホームステイ先では、電気をマメに消すようになり、食べ物や水を使うのも節約して大事に扱うようになっていった。

自宅の消費電力は太陽光発電や風力発電ですべて補い、上下水道も自宅で処理できる住宅。
自宅の消費電力は太陽光発電や風力発電ですべて補い、
上下水道も自宅で処理できる住宅。

将来、もっともっと自宅で必要なエネルギーが作れるようになれば、きっと人はエネルギーを大切に使うに違いない。食料にしても家畜や野菜を自分で作らなくなってきたことで大量消費が進み、ものの大事さ、貴重さに気づかなくなってしまっている。
例えば、太陽光発電とか風力発電などのように自分で作った食料も含めたエネルギーが、自宅のパネルにわかりやすく表示されれば、節約してエネルギーを使おうとするのでエコの意識が育つ。そういった意味でできるだけエネルギーや食料を自給自足するということが、ライフスタイルの中に入ってくると、バランスのとれた生き方に近づいていき、ひいては地球温暖化の抑制につながって行くのではないだろうか。今回の旅を通して食料を作る事や住まいのシステムについて興味がわいてきてた。バイオディーゼル燃料を自分で作りながら走ることが、いつのまにかエコへの感心が高まり、エコを学ぶチャンスとなった。エコを知ることで旅の楽しみが変わった。

(続く)

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