キッチンと暮らしのまん中で輝く人
教室ストーリー
時代に合わせて進化する味と、暮らしの中のキッチン
レシピは守るものではなく、育てるもの
長年受け継がれてきた伝統ある正統派家庭料理のレシピを大切にしながらも、中村先生が意識しているのは「変えないこと」ではなく「進化させること」。
これまで何十年と伝えてきたレシピであっても、工程を見直し、より作りやすくアップデートしていくことを大切にしています。
「母から受け継いだレシピ、大学で学んだ調理科学、そして全日本司厨士協会で伝説の名料理人の方々から直接教えていただいた“絶対的な美味しさ”が、私の料理の土台です。
中には時間や手間がかかるものもありますが、その一つひとつには、美味しくするための調理科学的な理由があるんです。
でも、料理は作ってもらうこと、そして続けてもらうことが何より大切。時代とともにより良い調理法が見つかることもありますし、レシピは完成形ではなく、更新し続けるものだと思っています」

今年11月には、スクールでも特に人気の高い肉メニューをまとめた料理本『衝撃的においしい鶏むねレシピ』『衝撃的においしいひき肉レシピ』に続く第3弾として、『衝撃的においしい豚肉レシピ』が刊行されました。
日々のおかずやおつまみはもちろん、おもてなしにも活躍する、作りやすさに配慮された実用性の高いレシピが詰まった一冊として、注目を集めています。
料理+αが生み出す、新しい価値
料理の仕事は天職であり、これからも長く続けていきたいと話す中村先生。これからの展開や取り組みたいことを伺いました。
「現在、非常勤講師として十文字学園女子大学でも教鞭を執り、茶道やアフタヌーンティー、ホームパーティーの実習を通して、日本特有のおもてなしの概念や実践方法を伝えています。
毎回、生徒さんたちが新しい知識を得て目を輝かせる姿を見ると、本当に嬉しくて、もっと多くのことを伝えたいと思うんです。
特別な料理でなくても、買ってきたお惣菜をお気に入りのお皿に盛り付けるだけで、食卓の印象は大きく変わります。それは誰かのためだけでなく、自分自身へのおもてなしでもあります。ほんのひと手間が日常を少し豊かにしてくれる。そのことを、若い皆さんにも感じてもらえたらと思っています」

料理の作り方やレシピを教えるだけでなく、食を通じて暮らしや人生が豊かになることを伝えていきたい──それが、今の中村先生の大きなテーマです。
人生の真ん中にあるキッチンという居場所
常に料理と向き合ってきた中村先生にとって、キッチンはどんな場所でしょう。
「住む場所や環境が変わっても、キッチンは自分に戻れる居場所。キッチンに立つ時間が、私自身を作ってきてくれたと思います。
これまで多くの素晴らしい料理人の先輩方や母から学んできたこと、そして自らの体験を生かしながら、これからもキッチンに立ち続け、日本の伝統的な家庭料理を含め、本当に美味しいものを伝えていきたいです」


銀座サロンでもレッスンを開催。洗練されたおもてなしと確かなレシピを学べます
“絶対的に美味しいレシピ”を伝える仕事に誇りを持ち、暮らしに合わせて柔軟に歩みを重ねてきた中村先生。料理の仕事への変わらぬ愛情と情熱が、これからも新しい価値と美味しさを生み出していかれることと思います。ますますのご活躍がとても楽しみです。
(おわり)
インタビュー・文:窪田みゆき
写真:原田圭介








