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SUSTAINABILITY

サステナビリティ活動

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社員一人ひとりの力を結集し
企業価値のさらなる高みを切り拓いていきます

難局を打開し、グループ総力で挑む経営基盤の抜本変革

クリナップグループは企業理念「家族の笑顔を創ります」のもと、システムキッチンのパイオニアとして、新たな食住空間の可能性を探求し続けています。
2021年に策定した長期ビジョン「クリナップサステナブルビジョン2030(CSV30)」では、「人と暮らしの未来を拓く」をテーマに、事業戦略と基盤強化の両面における進化を見据えた目標を設定し、企業価値のさらなる向上に取り組んできました。
そして、「2024中期経営計画」を「成長を支える経営基盤の強化フェーズ」と位置づけ、クリナップグループの経営の根幹である人材・環境・サプライチェーンなど多方面にわたる基盤の強化に注力しています。

前中期経営計画では、ESGやSDGsの視点を取り入れた経営基盤の強化において一定の成果を上げることができました。
その勢いを維持しつつ、2024年度は、事業活動におけるGHG排出量削減やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)推進プロジェクトが順調に進捗したことに加え、長期視点での住空間を思考する未来キッチンプロジェクトの着実な推進など、経営基盤が強化されている手ごたえを感じています。
一方で財務面に関しては、資材高騰の煽りを受けて厳しい結果を強いられています。
今後についても、人口減少による新築着工の減少が見込まれ、この難局を乗り切るには、グループの総力を挙げた抜本的な改革が不可欠と考えています。

「Cleanup DEI Statement」による 挑戦する企業風土への変革

中期経営計画においては、キッチンからサニタリーに展開した住空間への新たな提供価値、海外市場への参入・事業拡大など、「ファン化促進」による成長拡大、収益力の向上、「専業力強化」による経営基盤の次世代化を戦略とし、目標を掲げています。
目標の達成に向けて着実に推進していく原動力は、社員一人ひとりのモチベーションであることに疑う余地はありません。
すべての社員が公平・公正に扱われ、能力を最大限に発揮できる働き方で社員のモチベーションを高め、事業推進の原動力にする。
これこそサステナビリティ重要課題の一つとして設定しているDEI推進の目指すところです。

2025年5月には「Cleanup DEI Statement」を表明しました。DEI推進の意義を社内外に示す重要な宣言であり、経営戦略の一つとして位置づけています。宣言とともに私からのメッセージとして、「挑戦を支え合う風土を作り、新しい価値の創出に挑戦し、グループ全体の持続的成長につなげ、社会に貢献する」と記しました。

代表取締役社長執行役員竹内宏
代表取締役 社長執行役員 竹内 宏

クリナップでは、DEI宣言を公表する以前から、経営目標として女性活躍を掲げ、ショールームでの女性課長の登用を始めとした女性活躍の施策を積極的に推進してきました。
しかし、グループ全社員を対象にしたアンケート結果では、キャリアについて気軽に上司に相談できている社員が少ないことが分かり、私が目指している挑戦を支え合う風土ではないことに懸念を感じました。
さらなるキャリアアップを臨む挑戦意欲があったとしても、その想いを表に出せないでいる現状があるのではないかと認識しています。

例えば、ある営業所では男性社員が6カ月の育児休業を取得したことを契機に、業務分担の見直しが行われました。
その結果、担当業務の幅が広がった社員が「自分たちはもっと仕事ができる」と気づき、営業所内のコミュニケーションが活性化。全国1位の売上を達成するという成果につながりました。
会社全体からすれば小さな事例の一つかもしれませんが、DEI推進の取り組みは理念にとどまらず、業績に直結する可能性を示したものと実感しています。

また現在、海外支店で営業を担当している女性がいますが、彼女は自ら海外勤務に手を挙げ、会社もそれに応えました。
多様なキャリアパスがあることを社内に示すことができ、きっと他の社員のモチベーション向上につながると確信しています。

DEI浸透の真価が問われる 東南アジアでの海外事業

国内市場が飽和するなか東南アジアは新たな成長事業となる重要なマーケットです。現在、台湾と東南アジアに支店、上海に駐在事務所を設け、台湾、タイ、中国、シンガポール、マレーシアなどで、事業展開を進めています。

国内では岡山工場で技能実習生を受け入れ、将来の海外生産拠点整備を見据えた外国人労働者の育成ノウハウを蓄積しています。
生産本部や海外事業部では、東南アジア、中国からの外国人材を採用し、東南アジア諸国との友好関係を深めながら事業を推進する役割を担ってもらうことを期待しています。

文化や生活習慣、考え方が異なる仲間たちと、共に一つの事業を創り上げ価値を創造するには、より深いところでのDEIの理解が求められるはずです。その時のためにも方針発表大会や社内報などを通じて全社員に対して、共に働く仲間やお客さまに対して何か困っていないか、何をしたいのか興味を持って対話することを呼びかけています。
価値観の異なる人と対話し、お互いを認め合うことこそDEIの考え方にほかなりません。当社グループのあらゆるところで実践し得ることです。一人ひとりが変われば、部署が変わり、やがては会社そのものも変えていけると確信しています。

対話と行動によって実現する 持続可能なサプライチェーン

もともと私は、気になることがあればとことん突き詰めずにはいられない性分です。分からないことがあれば、自ら現地に足を運び、この目で確かめ、この耳で聞くようにしてきました。そうした積極的な動きがきっかけとなり、ここ数年取り組んできた持続可能なサプライチェーンの整備も、目に見えるかたちで前に進んでいます。

発端は、当社製品の取付・設置を委託している業者さまと対話を通じて、人手不足や重量物の運搬による身体的負担、さらに業界の慣例でサービスとされていた作業も、その負荷が大きくなってきており、それに見合った賃金面での課題に直面している現状を目の当たりにしたことでした。
この状況を看過すれば、そう遠くない将来、私たちの製品をお客さまのもとに届けることが困難になるでしょう。これは当社だけの問題ではなく、システムキッチン・システムバス業界全体の存続にもかかわる大きな問題であるという危機感を募らせました。

これを受けて、当社では現場の作業負担を軽減すべく、製品の軽量化を実現しました。次なる大きな課題として収益構造の見直しに着手し、これまで無償で提供してきた一部の作業について、有償化を進めています。取付・設置業者さまを、クリナップのブランドを共につくり上げる大切なパートナーと位置づけ、真摯な対話を重ねてきました。お客さまに対しても、その趣旨をご理解いただけるよう丁寧な説明を心がけながら、改善を図っているところです。

また、キッチン・バス工業会の会長という立場から、この課題を業界全体の問題として提起し、より多くの人材が集い、将来にわたって持続可能な魅力ある業界へと進化させていくことこそが、私にとっての大きな挑戦であると強く認識しています。

進取果敢に挑む企業価値と未来の革新

現在進めている改革は、全社を挙げて取り組むべき、大きなチャレンジです。ときに「前例がないから難しい」といった声が聞こえてくることもあります。確かに、新たな一歩を踏み出すには、相応のエネルギーが求められます。現状にとどまっていれば、大きな苦労は避けられるかもしれませんし、居心地のよさも感じられるかもしれません。しかし、それでは企業としての価値は、やがて確実に失われていきます。

「興味」をもって物事に向き合い、「挑戦」をもって一歩を踏み出す進取果敢な組織へと生まれ変わるべく、この変革を力強く先導し、企業価値の向上と持続可能な未来の創造に努めてまいります。


クリナップ
 サステナブルビジョン 2030(CSV30)

「人と暮らしの未来を拓く」

私たちクリナップは、システムキッチンのパイオニアとして、
新たな食住空間の可能性を広げ、創造し、世界中のすべての家族から選ばれ続ける企業となります。

重点指針
  1. キッチンメーカーとして新たな事業領域に挑戦し、安定した収益基盤をつくれている
  2. 顧客接点の多様化、デジタル化に対応し、より身近で選ばれ続ける存在になっている
  3. 人財を活性化し、能力を最大限発揮できる職場づくりを実現できている
  4. 持続可能な社会の実現に貢献できる会社になっている

クリナップ サステナブルビジョン2030(CSV30)
戦略シナリオ大枠

クリナップ サステナブルビジョン2030(CSV30)戦略シナリオ大枠