SUSTAINABILITY
サステナビリティ活動
Sustainability Management
サステナビリティ
マネジメント
マネジメント
企業理念「家族の笑顔を創ります」を事業活動を通して具現化することで、持続可能な社会に貢献しつつ自社の持続的成長を目指すことが、クリナップグループが考えるサステナビリティです。
この考えのもと、2023年に「CSR方針」を見直し、新しく「サステナビリティ方針」を策定しました。
また、クリナップグループは、中長期的に経営基盤強化と企業価値向上を図るため、クリナップグループとして目指すべき方向性を明確にした長期ビジョン「クリナップ サステナブルビジョン2030(CSV30)」、「2024中期経営計画」およびサステナビリティ重要課題を軸に、サステナビリティ活動を推進していきます。
サステナビリティ方針
私たちクリナップグループは、企業理念「家族の笑顔を創ります」のもと、全てのステークホルダーとの対話を重視した事業活動を通じて、持続可能な社会の発展と企業価値の向上を目指します。
- 1. 「心豊かな食・住文化を創る」という理念のもと、安全で高品質な商品とサービスをもって、お客さまと社会に新たな暮らし価値を提供し続けます。
- 2. 社会性、文化性をもって積極的に地域社会と関わりを持ち、地域の発展に貢献します。
- 3. 全ての事業活動においてサプライチェーンと協働で環境課題に取り組み、地球環境との共生を目指します。
- 4. 各国・地域の法令等を遵守し、人権および多様な価値観を尊重するとともに、サプライチェーン全体での公正で透明な事業活動を推進します。
- 5. 社員が健康的に安心して働くことができ、多様な人材が活躍できる職場環境や企業風土の実現に取り組みます。
ガバナンス(サステナビリティ推進体制)
クリナップグループは、サステナビリティの推進体制として代表取締役 社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」、「リスクマネジメント委員会」を設置しています。
サステナビリティ委員会は、当社グループの持続可能な社会の実現に向けた活動の方向性や目標設定、重要課題にかかわる活動の進捗状況を管理しています。
重要課題のうち環境にかかわる課題に対しては、当委員会の傘下に設置した「環境分科会」、人的資本にかかわる課題に対しては、人事部門およびDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)推進プロジェクトが対応し、実行計画、進捗状況などをサステナビリティ委員会に報告する体制をとっています。
リスクマネジメント委員会は、対処すべきリスクの発生を事前に把握・管理し対策を講じるとともに、全社で将来起こり得る損失の発生についての予測・低減・回避に取り組んでいます。
当委員会の傘下には「内部統制部会」「コンプライアンス部会」「BCP(事業継続計画)/SCM(サプライチェーンマネジメント)部会」を設置し、活動状況をリスクマネジメント委員会に報告する体制をとっています。
グループ会社の役員が両委員会に参画し、各社サステナビリティ活動を展開しています。
リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関する課題が事業活動へ与える影響を多面的にとらえ、当社グループにとってのリスクを認識し、重要課題を特定しています。
これらのリスクは、サステナビリティ委員会で、特に重要と判断したリスクを「重要リスク」としてリスクマネジメント委員会に報告・共有する体制をとっています。
リスクマネジメント委員会は、その報告を受けて、現行の管理指標・対策等の進捗を踏まえて、重要リスクの取り扱いについて検討し、対応を決定しています。
取締役会は、サステナビリティ関連のリスクと機会について、監督責任を担い、全社的な対応を統括しています。
なお、毎年これらリスクと機会について、サステナビリティ委員会で見直しの要否を確認しています。
戦略
クリナップグループは、「CSV30」を戦略的に進めるべく、2024中期経営計画以降を「成長を支える経営基盤の強化フェーズ」と位置づけ、事業活動と統合した取り組みを推進できるように、2024年に重要課題(ESG・SDGs課題)を、8つのサステナビリティ重要課題に深化させました。
また、重要課題ごとに当社グループの事業に影響を与える可能性があるリスクおよび機会を特定しています。
E(環境)
- リスク
- •炭素税導入等の規制強化によるコストの増加
- •台風や洪水等の被災による操業停止
- 機会
- •省エネ等、CO2削減に貢献する製品の市場拡大
- •低炭素なモノづくりによる企業価値向上
- 課題解決に向けた重点取組
[Scope1,2の取り組み]再生可能エネルギー採用/太陽光発電導入/老朽化設備入替/エネルギー転換/ハイブリッド自動車への切替/省エネ推進活動 [Scope3の取り組み]低CO2材料採用の検討/材料生産性の向上/サプライヤーへの働きかけ/省エネ機器採用推進/お客さまへの啓発活動推進- リスク
- •資源循環の対応遅れによるお客さまの離反
- 機会
- •3Rに対応したモノづくりによる企業価値向上
- 課題解決に向けた重点取組
持続可能な材料の使用/製品の3R推進- リスク
- •節水製品の開発遅れによるお客さまの離反
- •水不足による操業への影響
- 機会
- •節水製品の市場拡大
- 課題解決に向けた重点取組
製品の水使用量削減/事業活動における水使用量の削減S(社会)
- リスク
- •多様化するお客さまのニーズに対する当社製品のミスマッチ
- •環境配慮製品の開発の遅れによるお客さまの離反
- 機会
- •ライフスタイルに即した新たな生活空間の創出
- •環境や健康に配慮した製品の市場拡大
- 課題解決に向けた重点取組
SDGs視点の製品・サービス指針にもとづいた開発の推進- リスク
- •労働生産性の低下や人財獲得の競争激化
- •ダイバーシティや人権対応の遅れによる企業イメージの毀損
- •社員の健康被害、健康関連費用の増加
- 機会
- •多様な人財活用を通じたイノベーションの創出
- •社員の健康増進による生産性およびモチベーション向上、それを通じた企業価値向上
- 課題解決に向けた重点取組
社員エンゲージメント向上のための新人事制度構築/多様な働き方推進への取り組み/社員の健康増進の取り組み/労働安全衛生マネジメントシステムの推進- リスク
- •労働生産性の低下や人財獲得の競争激化
- •ダイバーシティや人権対応の遅れによる企業イメージの毀損
- •社員の健康被害、健康関連費用の増加
- 機会
- •多様な人財活用を通じたイノベーションの創出
- •社員の健康増進による生産性およびモチベーション向上、それを通じた企業価値向上
- 課題解決に向けた重点取組
社員のキャリア形成支援/女性活躍推進/男性育休取得/障がい者への就労機会提供- リスク
- •地域社会との信頼関係の希薄化による事業活動の停滞
- 機会
- •地域社会との共生による事業の安定化、企業価値向上による人財確保
- 課題解決に向けた重点取組
スポーツや教育、食育などの文化活動を通じた社会貢献活動/介護事業を通じた持続可能な高齢社会の実現S・G(ガバナンス)
- リスク
- •自社およびサプライチェーン上のコンプライアンス違反(環境・人権問題)による信用低下
- 機会
- •長期的な競争力の向上
- 課題解決に向けた重点取組
コーポレート・ガバナンス体制/サステナビリティ推進体制の整備と維持/人権デューデリジェンスの運用/CSR調達の推進指標と目標
長期ビジョン「CSV30」において5つの非財務目標を設定し、具体的な施策に取り組んでいます。
Scope1,2削減、男性育児休業取得率、有給休暇取得率の3つは、施策実施によって改善されました。
Scope3削減、女性管理職比率の2つは、継続的に取り組む社内体制を整備しており、中長期的な施策を確実に実施することで、目標達成を目指します。
非財務目標区分 | 対象 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2030年度目標 |
Scope1,2 削減 (2021年度比) |
連結 | 21.6%減 | 31.7%減 | 42%減 |
Scope3* 削減 (2021年度比) |
連結 | 3.7%増 | 1.4%減 | 25%減 |
女性管理職比率 | 連結 | 3.8% | 3.5% | 15% |
単体 | 3.1% | 3.1% | ||
男性育児休業取得率 | 連結 | 70.2% | 75.0% | 100% |
単体 | 71.2% | 70.7% | ||
有給取得率 | 連結 | 63.8% | 66.7% | 60% |
ステークホルダーとのかかわり
クリナップグループは、社会の一員として果たすべき役割と目的意識を明確に持ち、さまざまな接点を重要な機会ととらえてコミュニケーションを行っています。また、社会の未来を担う子どもたちを「将来世代」と位置づけ、重要なステークホルダーと認識し、教育および社会・文化活動に取り組んでいます。今後も、事業活動を通して多種多様な期待や要請に誠実に応え、ステークホルダーとの信頼関係と協働関係を築いていきます。
お客さま
当社グループの製品・サービスを購入・利用されているお客さま- •安全で快適な製品・サービスの提供
取引先さま(サプライヤー)
製品の原材料調達先、お客さま宅に製品を設置する取付・設置業者- ・対話やアンケートの結果を踏まえたCSR調達の推進
- ・取引先さまの労働安全に配慮した製品の創出
株主・投資家
当社に出資してくださる株主および投資家- ・配当金による利益の還元
- ・適正な会計処理と適時情報開示
社員
当社グループの事業に従事する国内外の社員- ・働きやすい職場づくり
- ・人事制度の改善
- ・多様性を尊重した社内風土の醸成
将来世代
社会の未来を担う子どもたち- ・将来世代の社会・文化活動を支援する取り組みの実践
社会
当社グループが所在する地域やその近隣の住民の皆さま、当社グループの事業に関心を寄せる外部有識者など- ・地域社会の活性化につながる取り組みの実践
主なステークホルダーエンゲージメントの実績
全国でクリナップの商品を取付・設置またはアフターサービスを担っていただく取引先さまとの情報交換会を行っています。
2024年度は、関西エリアで実施し、システムキッチン、システムバスルームの作業性や要望についてさまざまなご意見をいただきました。いただいたご意見の中から作業性向上を目的として、2025年2月にモデルチェンジしたシステムバスルーム(ラクヴィア)の壁パネルに工夫を加え改善しました。具体的には、位置決めや組立がスムーズに進められるように、壁パネルに目印を付ける加工を追加し、部品の正確な位置合わせや、組立作業の効率化を図りました。
また、毎年5月から7月にかけて、取付・設置会社・アフターサービス会社・現場確認会社を対象に、クリナップとクリナップテクノサービスとの合同で安全大会を開催しています。新年度の安全方針を共有するとともに各会社さまと情報交換を行っています。
今後も貴重なご意見を真摯に受け止め、信頼関係の構築を図るとともに、お客さまへお届けする商品/サービスの向上につなげていきます。

未来キッチンプロジェクト
クリナップは2023年に「未来キッチンプロジェクト」を始動し、「キッチンから心豊かな未来を創る」をテーマとするアクションを展開しています。
2024年3月に、循環ろ過機能を備えた可動式のモビリティキッチンを産学共同で開発し、同年9月、これを株式会社MUJIHOUSE主催のインフラゼロハウス*実証実験に提供しました。同実証では、給排水設備のない居室に導入したシンクユニットが手洗いや洗顔などに問題なく利用できることが立証されました。また2025年1月には、東京都練馬区の中学校で行われた防災イベントに、モビリティキッチンの他、異なる形態のろ過循環装置を提供し、避難所運営を想定した訓練を支援しました。参加した生徒・地域住民の皆さまからは好意的な声が多数挙がるなど、災害時にも活用できる次世代型キッチンの有用性を実感していただきました。
その他、全国の小学生を対象に未来のキッチンのイラストを募る「未来キッチン イラストコンテスト」を開催し、次代を担う子どもたちと一緒にキッチンの可能性を模索しています。そして、子どもたちに自身や地球の未来を考える機会としても役立ててもらっています。どの作品も創造力に満ちあふれ、見る人の心を動かす素晴らしい作品です。
これらの活動を通して、既存のシステムキッチンの枠を超えた新しい製品を生み出し、人々の心豊かな食住生活を後押ししていきます。
*温室効果ガスの排出や生活に必要なエネルギーコストの実質ゼロなどを実現する自由で自立した未来の住まいで、災害時の仮設住宅としての活用も見据えて設計
〈インフラゼロハウス実証実験への提供〉

〈地域防災イベントに提供〉
