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システムキッチンの歴史 development
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システムキッチンの歴史

ご存知でしたか?実は、「システムキッチン」という言葉は造語で、クリナップが生みの親。
どのようにしてシステムキッチンが生まれ、私たちの暮らしに普及したのでしょうか。

目次

システムキッチンの前身「ステンレス流し台」

ステンレス流し台は、1956(昭和31)年、公団晴海団地のダイニングキッチンに設置されました。それまでのキッチンといえば、コンクリート製のものや、木製のものが主流。ステンレス製の流し台は、画期的なものだったのです。
ステンレス流し台が一般家庭にも大きく普及したのは、日本住宅公団(※)の目玉商品として、台所をダイニングキッチンにしよういう流れがあったためだと言われています。

※ 1955年~1981年まで存在した特殊法人。住宅に困窮する勤労者のために、住宅や宅地の供給を行っていた。

1920年代~1960年代にかけ、「生活改善運動」という国民生活の科学化・合理化を目指した働きかけがありました。台所もその一つ。空間が限られた公団住宅で、台所を機能的に改善するためには、ダイニングキッチンスタイルが最適でした。
ステンレス流し台は、メーカーのプレス加工技術の向上により、従来のコンクリート製・木製の台所に比べ、大量生産が可能に。量産可能になったことで、ステンレス流し台は大幅にコストダウンしました。耐久性にも優れていたことから全国各地に普及し、高度経済成長の波に乗って、一般家庭にも定着していったのです。

暮らしの中の台所へ

ステンレス流し台の普及は、台所の機能性を格段に高めました。

昭和初期の家庭を象徴するものでもあったちゃぶ台を、西洋式のテーブルとイスに置き換えた「食堂セット」も同時に普及。ダイニングキッチンは、洋式住居において重要な部屋となり、憧れでした。それにより、当時の主婦の中に「人目に触れさせられなかった台所から、お客様を迎えても恥ずかしくない台所へ」という意識が生まれます。

高度経済成長によるマンションブームで、洋式の生活スタイルがさらに定着していきます。リビング・ダイニング・キッチンを一体として重要視する「LDK」の考え方が広まり、需要が高まりました。それにより、キッチンにインテリアとしての機能も求められるようになります。

「ユニットキッチン」へ

さらなる消費者ニーズの多様化により、キッチン設備のトータルインテリア化、デザインの多様性・独自性が求められるようになります。これにより各メーカーは、製品をシリーズ化してバリエーションを増やしていきました。

このころ、流し台、調理台、ガスコンロ、吊戸棚などを工場で組み立て、一体化した「ユニットキッチン」が生まれます。これにより、キッチンはより合理的・機能的になり、コストダウンも可能になりました。

システムキッチンの登場

システムキッチンが日本で初めて登場したのは、1973(昭和48)年、飯田橋にあったクリナップのショールームでした。

当時、ヨーロッパでは1枚のワークトップを用いたオーダーメイドのキッチンユニットが主流。そこから着想を得たクリナップが日本向けに改良し、「システムキッチン」を開発したのです。

システムキッチンの名付け親

「システムキッチン」というネーミングは、実は造語で和製英語。名付けたのは、クリナップ(当時、井上工業)研究開発本部取締役の岡本孝之氏でした。

その由来は、経営学などで当時盛んだった「システム論」。各機能を組織的に組み合わせ、家事仕事をひとつにまとめ上げるという基本思想を明確にしたのでした。

当時のクリナップは…

当時(1973/昭和47年)のクリナップの総合カタログでは、

「クリナップは清潔で美しくしかも使いやすい明るい台所づくりを目指しています・・・・・・。また、これからのキッチン――ユニットキッチン、夢のキッチンと言われているシステムキッチンなども積極的に開発中です」

と表明していました。

クリナップ、システムキッチンの本格発売へ

クリナップは1977(昭和51)年6月、「クラシック」シリーズと「モダン」シリーズを発売します。

「クラシック」:システムキッチンの基本モジュールを備えた、アメリカンスタイルのシステムキッチン
「モダン」:キャビネットへの組み込み機器などを合理的にまとめ、現代的なデザインを強調した、ヨーロッパスタイルのシステムキッチン。

一般家庭への普及

クリナップは1983(昭和58)年、業界初となる簡易施工型システムキッチンを発売します。当時のシステムキッチンは、「部材型」と言われ、憧れの的ではありつつも、一般家庭に普及するには少し割高でした。そこで、「買えちゃうシステムキッチン」というキャッチコピーのもと、業界初の挑戦に乗り出します。ワークトップの長さを4サイズに絞ることで、キャビネットの組み合わせやシンク、ガスコンロの位置もある程度絞りました。

ユーザーニーズに合わせた多彩な組み合わせは維持しつつ、当時のシステムキッチンの相場150~300万円から45万円までコストダウンに成功。これにより、システムキッチンは一般家庭にも普及していきました。

現在のシステムキッチン

システムキッチンは、キッチン空間を自分のライフスタイルに合わせた最適なものにでき、好みの色・デザインを取り入れることができます。これは、多様性・独自性を重視する多くの消費者に支持され、現在では日本の一般家庭に広く定着しました。

2023年現在、システムキッチンが生まれて50年。各メーカーによって多彩なシステムキッチンが開発され、価格やデザインもより豊富になりました。理想の暮らし、理想のキッチンの使い方に合わせたシステムキッチンを選びましょう。

 

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