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洗エールレンジフードの開発 development
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洗エールレンジフードの開発

2007年、業界に先駆けて開発・発売した「洗エールレンジフード」。今やクリナップのシステムキッチンを購入される方の3〜4人にひとりの方がお選びになるほどの人気アイテムとなりました。特筆すべきは「レンジフードフィルターの自動洗浄」という、前例のない機能への挑戦。現在まで2度の大きな仕様変更を経て、さらに魅力あるアイテムへと進化を続けています。

目次

2007年〜 自動洗浄でラクしてエコ

クリナップが洗エールレンジフードの開発に着手した2000年代前半は、すでに全自動洗濯機はもちろん食器洗い乾燥機は当たり前になっていて、生活者の家事負担は大幅に軽減されました。しかしながら家事全般に目を向けると、まだまだ負担の大きい作業がいくつもありました。その多くは拭き掃除に関わるもので、キッチンにおいて特にお客さまがご苦労されていたのがレンジフードのフィルター掃除です。忙しい日々の中でついつい後回しになって年末に大変な思いをしたり、清掃業者に頼むとお金がかかるといった声も……。手間もお金もかけずにフィルター掃除ができる洗エールレンジフードは、そのような背景から生まれました。

開発にあたっては、主に以下の3点にこだわりました。まず1つ目は、給排水設備を用いないこと。取付工事が大がかりになると、ご予算面で負担となってしまうからです。次に洗浄水(ぬるま湯)をなるべく少なくすること。洗浄水はタンクに入れて使いますが、レンジフードは高い位置にあるため、あまり重いと体に負担がかかってしまうからです。タンクの容量は650ccで、冷蔵庫の製氷機と同じくらい。日常的に使い慣れている感覚でお使いいただけます。最後が、高い安全性。特に、水が漏れないことです。他にもどんな不測の状況にも対処できるようフローチャートをつくり、いくつものセンサーを取り付け、万が一故障しても、壁際の安全な位置に水が落ちるような構造設計を施しています。

手洗いでフィルターを掃除する際、毎月のようにこまめにやっていたとしても、大量の水や洗剤を使うことになります。そして、その汚れた水は下水に流すことになります。洗エールレンジフードなら、水は少量で済み、汚水も排水トレイに回収されますから、水切りペーパーなどを使って排水すれば環境にもやさしくお掃除できます。しかもシンクや排水口を余計に汚すこともありません。つまり洗エールレンジフードは、お掃除をラクにして、それがエコにも直結するレンジフードなのです。

2013年〜 対面キッチンへの対応

発売後から大きな支持をいただいた洗エールレンジフードでしたが、一方では対面キッチンにもつけられるようにしてほしい、間口90センチだけでなく75センチもあれば……、といった現場の声も多く聞こえてきていました。2013年の大幅な仕様変更は、そういった声に応えるものでした。

2013年モデルの洗エールレンジフードを初代モデルと並べてみると、その違いは見た目からして歴然としています。それは、下方に大きく張り出していた洗浄ユニット部が見当たらないこと。間口75センチ対応ならまだしも、対面キッチンに展開することを考えたとき阻害因子となっていた洗浄ユニットの張り出し。これを【ファンフィルター】という新たな発想で解決することで、間口75センチ対応はもちろん、対面用のサイドフード、アイランド用のセンターフードにも展開し、より幅広いプランに対応できるようになったのです。もちろん見た目もスッキリさせて、デザイン性を高める意図もありました。

ファンフィルターとは、普通はファンの手前で油煙に含まれた油をキャッチするフィルターを、ファンと一体化させたもの。レンジフード本体のコンパクト化に加え、機能面でも大きな前進をもたらしました。当時の開発担当者によると、「風路の途中にフィルターがあると、どうしても空気抵抗が生まれてしまいます。その抵抗が無ければ風路の空気の流れがスムーズになり、排気能力をさらに高めることができます。であれば、油を捕集するフィルターをファンのすぐ近くにしてしまえば……という考え方から生まれたのがファンフィルターです。他の部分に油が付着する量を軽減し、1か所で集中捕集するため汚れを効率よくキャッチでき、しかもまるごと自動洗浄できてしまうので、レンジフード全体の約8割にあたるお手入れの負担を自動洗浄だけでまかなえるようになりました」とのこと。

また、最近では家電製品の多くが省エネ機能を取り入れている中、洗エールレンジフードが「省エネナビ」を採用したというところも注目点でした。当初はベストな仕様であっても、年月が経つとどんどんと新しい要素技術が生まれます。調理センサーによるセンシング技術が活かされた省エネナビもそのひとつです。エコ運転ボタンを押すだけで調理センサーが調理物の温度を検知し、自動的に換気風量を切り替えて省エネ運転を行うというもので、手動に比べて最大約55%の消費電力を削減します。

2018年〜 さらなる機能の洗練

2013年モデルから洗エールレンジフードは、ファンとフィルターが一体となった構造へと進化しました。このファンフィルターをまるごと、お湯(40〜45℃)をセットして自動で洗い、洗浄後は汚水を捨てるだけでお掃除完了。ファンフィルターには親水性塗装が施されているため、洗剤なしで汚れが落とせます。そして2018年モデルで特筆すべきは、洗浄運転のサイクルが従来の1か月に1度だったのが、その半分の2か月に1度になったこと。より手間が少なくなりました。これには、さらに小型化し、汚れが溜まりがちな突起をなくすなどで汚れの落ちやすさを高めたファンフィルターの進化が大きく寄与しています。

近年ますます増えているLDKスタイルの対面キッチンに対して、室内の快適性を高める「自動排熱機能」も、新たに搭載しました。共働き世帯などでは、日中の室内は閉め切られ、真夏の帰宅直後などは特に熱気がこもって不快なことが多いかと思います。お出掛け時に部屋にこもった熱を排出する自動排熱機能があれば、帰宅時の熱こもりを約2℃低減し、エアコンの急速運転時の消費電力も約50%低減します。さらにオプションの給気清浄機能も加えると、快適性能は一層充実。レンジフード使用時に取り込む外気に含まれる花粉やPM2.5などの微粒子を約95%カットします。

リフォーム現場などでの対応力もさらに向上しました。レンジフードの動力部分であるファンボックスがファンフィルターとともに小型化されたことにより、低天井や梁欠き加工の対応範囲が拡大しました。2013年モデルで進化した部分をさらに追究することで、今まで諦めていただかざるを得なかったお客さまにもお選びいただけるようになりました。また、現在の状態がわかるお知らせランプが加わるなど、よりわかりやすくなった操作パネルも、洗エールレンジフードの大きな魅力です。

洗エールレンジフードはその後も改良が加えられ、油捕集効率をさらに向上させた2023年6月モデルには、ボタンの凹凸がないフラットな「ノイズレススイッチ」を採用。操作部は必要な時に光るブラックアウト仕様となり、意匠性も向上しました。そしてさらに、角が大きくて洗いやすく、握りやすい形状に変更した「新給排水トレイ」(食洗器も対応)など、新しいアイデアが次々と活かされています。

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