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オートムーブシステムの開発 development
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オートムーブシステムの開発

「使わないときはしまっておける」という新たな発想が生み出したオートムーブシステム。水切り棚のデメリットを解消し、調理道具や調味料の収納も兼ねることができ、配膳補助のワークスペースにも使える機能吊戸棚として、2002年に発売以降、瞬く間にヒット商品となりました。その成功には、1999年に登場した足元収納フロアコンテナの存在が大きく関わっていました。

目次

水切り棚のデメリットを解消

オートムーブシステムの開発がスタートした1990年代後半、それまでは多くのご家庭で利用されていた水切り棚を採用するお客さまが減少傾向にありました。オープンであるがゆえに水垢汚れや油はね、ホコリが気になったり、目の前にある便利さと引き換えに雑然と見えてしまうことも……などなど、さまざまな理由があったようですが、一方では「洗ったボウルやザルの置き場所に困っている人も実は多いはず」と当時の開発担当者は考えました。そうして2002年に生まれたオートムーブシステムは、「使わないときはしまっておける」という発想の転換で水切り棚のデメリットを解消し、キッチン空間に新たな機能性をもたらすことになりました。

  • 左が吊戸棚の下に水切り棚がセットされたキッチンで、右がオートムーブが搭載された2002年頃のシステムキッチン。

吊戸棚の「量」を「質」に転換

スイッチを押すと手の届きやすいアイエリアに自動で降りてきて食器や道具類の水切りに使えて、作業が済んだら戻せばスッキリ。便利で意匠性も高く保てるオートムーブシステムは発売当初から人気を博しましたが、その反面、それまで吊戸棚に頼っていた「収納量」が減ってしまうことに。これに関して当時の開発担当者がメディアに残した言葉を借りると「オートムーブシステムにすると、吊戸棚としての収納量は犠牲にされます。しかし従来のキッチンでデッドスペースだった台輪部分を利用したフロアコンテナがあるおかげで、その分の収納量が十分カバーできます。その結果、吊戸棚でまかなっていた『量』を『質』に転換できたのです」。つまりオートムーブシステムは、フロアコンテナによって足元にプラスアルファの収納が生まれるというシステムキッチンの劇的な進化の中で生まれた新発想でもあるわけです。

  • フロアコンテナの登場で、以前だと吊戸棚にしまわれていた土鍋やカセットコンロ、季節用品、ストック品などを出し入れしやすい低い位置にまとめられ、オートムーブシステムのような機能吊戸棚を採用しやすい環境をつくりました。

風や光を遮らず空間を快適に

前扉はベースキャビネットと同面材で揃えられ(発売当初は半透明窓)、唯一下面に操作パネルが出るのみで、それがなければ昇降機能を有しているようには見えません。

そして昇降部を降ろすと背板がパンチング穴の空いたステンレスとなっているのは、風や光の通りを意識したものです。キッチンの快適さにつながり、対面キッチンで昇降部を降ろしていてもダイニングの様子がわかります。見えるところにビスを使わず、水に濡れることの多いところ故にステンレスを多用しているところも意匠性とともに清潔感を高めています。

  • 左が発売当初のオートムーブシステムを搭載したキッチンで、右が最新のCENTRO。

万が一を考えた高い安全性

電動機器ということで、安全性にも十分配慮する必要がありました。そのため、スイッチのワンタッチで昇降させることもできたのを、発売当初はあえて押している間だけ動く方式としました。もちろん誤って手を挟み込んだりしないようにするためです。その後、安全機能をさらに進化させ、現在の機種ではワンタッチで自動昇降する方式へと改良しています。障害物検知機能を搭載し、収納庫や扉がものに当たっていたり、収納物がはみ出していたり、収納庫の下にもの(あるいは人の手)が置いてあったりした場合には昇降をストップします。

  • 発売当初のスイッチはハンドル式で、軽く手の平を乗せると昇降部が下降。安全機能が進化した現行品はワンタッチで自動昇降。

ご覧いただいたように基本的な機能は同じでも、技術の進化やインテリア意識の変化に合わせて、オートムーブシステムもアップデートしてまいりました。しかしながら、「使わないときは簡単に隠せる、収納やワークスペースも兼ねた水切り棚」というアイデアは、今も昔もキッチンに立つ皆さまに変わらぬ価値をご提供しています。

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