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対面キッチンの最適なレイアウトは?10畳・12畳・14畳・16畳のLDK事例紹介 knowledge
8min
対面キッチンの最適なレイアウトは?10畳・12畳・14畳・16畳のLDK事例紹介

明るく開放的なイメージの対面キッチン。家族と会話しながら楽しくお料理する姿が想像できますね。けれども、ひとくちに対面キッチンといっても、実はレイアウトのパターンはさまざま。そこで今回は対面キッチンのレイアウトについてパターンや特徴をお伝えします。

ぜひ、お住いや暮らし方に合わせた理想的なレイアウトのヒントを見つけてくださいね!

目次

市村 千恵(いちむら ちえ)先生

市村 千恵(いちむら ちえ)先生

二級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザーとして、年間120件以上のリフォーム収納相談、プランニングをこなす。
社会人スクールにてCAD講師15年の経歴を持ち、担当した講座からは1,000名以上のCAD技術者を輩出。リフォームイベントでのセミナーも多数開催している。

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対面キッチンのレイアウトパターン

対面キッチンの主なレイアウトのパターンをご紹介します。

I型(造作対面)
L型(造作対面)
I型・L型(フラット対面)
2列型(Ⅱ型)
アイランド型
シンクや加熱機器を1列に並べ、
キッチン前に腰壁を造作したレイアウト。
シンクや加熱機器をL型に並べ、
キッチン前に腰壁を造作したレイアウト。
キッチン前に腰壁を造らないレイアウト。
シンクや加熱機器を2列に並べたレイアウト
シンクや加熱機器を壁から
島のように離したレイアウト

これらのレイアウトによって、必要なスペースや使い勝手が異なります。次の項目では、それぞれのレイアウトの特徴やメリット、デメリットを解説していきます。

レイアウト① I型(造作対面)

I型対面キッチンは、最も基本的なレイアウトです。キッチン前に腰壁を造作して、LD(リビングダイニング)とのセミオープンな形をとります。

メリット

・キッチンとLDの空間を程よく分けることができる。

・キッチンの作業動線がシンプルになる。

・比較的、省スペース、安価で実現できる。

デメリット

・作業動線が横歩きで一直線になり、やや効率が悪い。

レイアウト② L型(造作対面)

L型対面キッチンは、シンクや加熱機器をL字型に並べたレイアウトです。キッチン前に腰壁を造作するのはI型と同様ですが、I型よりもキッチンのエリアが広く必要です。

メリット

・キッチンとLDの空間を程よく分けることができる。
・キッチンの作業動線がコンパクトになり、作業効率が良い。

デメリット

L字型のコーナーがデッドスペースになりやすい。

レイアウト③ I型・L型(フラット対面)

キッチンのワークトップカウンターがフラットで、腰壁を造らないレイアウトです。LD側と境界がなくオープンになるので開放感のある空間になります。ワークトップカウンターの奥行きが深いので、軽い食事をとったり、収納スペースにしたりと幅広い用途で利用できます。

メリット

・キッチンとLDの空間が一体となり、開放感がある。
・おしゃれな雰囲気を作りやすい。

デメリット

・ワークトップカウンターがオープンなので、生活感が出やすい。
・物をどこにしまうか、収納計画をしっかりする必要がある。

レイアウト④ 2列型(Ⅱ型)

2列型キッチンは、シンクと加熱機器を2列で構成したレイアウトです。シンク側をアイランドにすることで、まわりをぐるりと取り囲み、家族や友人と一緒に調理や配膳を楽しむことができます。

メリット

・シンク側での調理の下ごしらえや洗い物、コンロ側での加熱をそれぞれ独立した形で行える。
・2人以上で作業しやすい。
・複数人でコミュニケーションをとりやすい。

デメリット

・シンクとコンロ側の移動のとき、水や料理をこぼしやすい。
・調理中に前後に振り向く必要がある。
・床面積を広くとる必要がある。

レイアウト⑤ アイランド型

アイランド型キッチンは、本体が島のように壁から離れたレイアウトです。キッチン周りに空間ができるので、どこからでもアクセス可能な点が魅力です。

メリット

・キッチンとLDの空間が一体となり、開放感がある。
・キッチンへのアクセスが左右どちらかも自由で回遊性がある。
・家族や友人など複数人でキッチンを囲むことができる。        

デメリット

・床面積を広くとる必要がある。
・物が出しっぱなしになると生活感が出やすい。
・臭いや汚れが気になりやすい。

このように、対面キッチンのレイアウトには、それぞれのメリットやデメリットがあります。どんな使い方をしたいのか、優先順位を決めて採用を検討してくのが良いでしょう。

【畳数別】対面キッチンのLDK事例

ここからは、対面キッチンのあるLDKの事例を、お部屋の畳数別にご紹介します。ご自宅のスペースと照らし合わせて参考になさってみてください。

LDKとは、リビング、ダイニング、キッチンが一体となった間取りです。それぞれのエリアをどう配置するか、お部屋の畳数に合わせて検討する必要があります。

【10畳のLDK】コンパクトな空間はキッチンを主役に

キッチンを主役に。大きなカウンターは多目的に利用できる。

10畳LDKの間取りです。10畳では、LDKの3つのエリアをそれぞれとることは難しいでしょう。事例では、対面キッチンを主役にダイニングとリビングを兼ねた空間を造りました。

ダイニングテーブルを置かず、キッチンを取り巻くカウンターを造作。食事はもちろん、家族の団らん、時にはテレワークや勉強など多目的に利用できます。

インテリアは、圧迫感のない白を基調に、随所に黒を効かせ、モノトーンですっきりとまとめました。

参考データ 10畳のLDK平面図
キッチン
幅2,100mm
収納
幅900mm

【12畳のLDK】部屋の形状に合わせたエリア設定

フラット対面のキッチンで目線を低く。Ⅼ字型のソファもポイント。

12畳LDKの間取りです。L型の間取りを活かして、キッチン+ダイニングのエリアとリビングのエリアを分けています。

間取りに合わせた家具の形状や配置で、コンパクトな空間を広く使える工夫をしています。ダイニングの空間はやや手狭になりますが、フラット対面のキッチンを選べば、目線を低く抑え、空間を広々と見せることができます。

参考データ 12畳のLDK平面図
キッチン
幅2,400mm
収納
幅1,800mm

【14畳のLDK】標準的な広さで目的に合わせたレイアウトが可能

14畳なら目的に応じた使い方が選べる。

14畳LDKの間取りです。14畳のLDKは標準的な広さと言えるでしょう。

事例は造作対面のレイアウトです。キッチンとLD空間を程よく間仕切りしたセミオープンの空間となっています。

キッチンの独立性も保ちながら、LDとも繋がる一挙両得のプランとも言えます。LD側の腰壁周りには、カウンターや収納を設けたり、ミニデスクを配置したりと家族の暮らしに合わせた使い方ができます。

参考データ 14畳のLDK平面図
キッチン
幅2,550mm
収納
幅1,800mm

【16畳のLDK】程よいゆとりを活かしたおしゃれ空間

キッチンとダイニングをつなげたレイアウトでスッキリとした空間に。

16畳LDKの間取りです。事例はアイランドキッチンに一直線上にダイニングを配置した人気のレイアウト。キッチンへのアクセスは左右どちらからでも可能で、回遊性があります。キッチンを囲んだホームパーティにも適していますね。

調理をしている人、配膳をしている人、冷蔵庫から飲み物を出す人などが、渋滞せずに動ける点が魅力です。

その一方で、アイランドキッチンでは、カウンターの物が出したままで散らかった印象になってしまうのが悩み。

物の置き場所をあらかじめ決めておく、しっかりとした収納計画が重要です。今回は背面の壁を利用して、食器や家電、食品などがすべて納められるプランとしました。

これなら散らかる心配がないですね。

参考データ 16畳のLDK平面図
キッチン
幅2,450mm
収納
幅2,400mm

対面キッチンを快適にするためのポイント5選

対面キッチンのレイアウトを、さらに素敵に快適にするための共通ポイントをまとめました。

ポイント①リビングからの視線をコントロール

  • 腰壁95cm

    腰壁95cm

  • 腰壁105cm

    腰壁105cm

  • 腰壁115cm

    腰壁115cm

対面キッチンは、LD(リビングダイニング)との一体感が魅力ですが、同時にキッチンの生活感が見えてしまうのが悩みの種です。かといって常に綺麗な状態を保つのも難しいですね。

そんな時は、造作対面でリビングからの視線を遮るように、腰壁の高さを調整しましょう。シンクや手元を隠すなら、キッチンのワークトップの高さを基準に、20cmくらいの立ち上がりが目安です。

ポイント②キッチンの作業動線の確保

対面キッチンでは、調理中の動線、配膳の動線、LD(リビングダイニング)側からアクセスする人の動線を整理しておくことがポイント。通路幅が1m以上あると、あまりストレスなく行き来ができるのでおすすめです。

調理や後片付けなどの作業をしている人と、LD(リビングダイニング)側から冷蔵庫へ物を取りにいく人が渋滞しないよう、通路の幅を検討しましょう。

ポイント③収納計画

対面キッチンのレイアウトは、散らかった印象にならないように収納計画をしっかりとしておきたいですね。キッチン背面の壁は、食器棚や家電、ゴミ箱スペースとするのがおすすめです。

また、キッチン側だけでなく、LD(リビングダイニング)側の収納計画も忘れずに。

ダイニング周りには、行き場のない小物などがたまってしまいがち。キッチンの腰壁を利用した収納スペースを作っておくと散らかり防止になります。キッチン本体にLD側の収納が備わっているものもありますので、ぜひチェックしてみてください。

ポイント④インテリア計画

対面キッチンのレイアウトとともに、LDK全体のインテリアにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

最近はインテリアのテイストに合わせて、キッチンの扉面材やワークトップカウンターも、色や柄がどんどん豊富になっています。キッチンも家具と同じような感覚でトータルにコーディネートをしていきましょう。

インテリアに迷う方は、まずはベースカラーを決めてみると良いかもしれません。部屋のイメージを決めるのは、面積が大きな床や壁の部分。それがベースカラーです。

お住いの床や壁に使われている色をベースカラーとして、それに合うキッチンをチョイスすれば、失敗なくバランスの良い空間をつくることができます。

ポイント⑤照明・コンセント計画

対面キッチンのレイアウトに合わせて、照明器具やコンセントの計画も見直すと、さらに機能的なキッチンになります。

対面キッチンでは、作業の手元灯もお忘れなく。LD(リビングダイニング)側には、ペンダント照明やダウンライトを多灯であしらうのも、奥行き感が生まれ、空間がワンランクアップしますよ。

また、コンセントの増設や配置換えも見直してみましょう。フードプロセッサーやミキサーなどの調理家電の利用をするなら、キッチン側にコンセントがあれば重宝します。

以上が、対面キッチンのレイアウトをさらに快適にするポイントです。対面キッチンのレイアウトを考えるときにまとめて検討しておくことで、さらに使い勝手の良い空間が実現できることでしょう。

ショールームの活用方法

対面キッチンのレイアウトを考えるなら、まずは主役となるキッチンについて情報収集するがおすすめです。

メーカーのショールームなら、キッチンの形状や機能を実物で確認できます。対面キッチンのレイアウトで心配な臭いや音。ショールームでは高性能の換気扇や静音性のあるシンクなど、デメリット対策を体感できるポイントがたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。

訪問の際は、現在のキッチンの状況が分かる資料があるとアドバイスが受けやすくなります。

ショールーム訪問時に用意していくと良いもの

・キッチンの寸法が分かるもの(幅、奥行き、高さ)
・キッチンや部屋の寸法が分かるもの(メモや図面)
・キッチンの写真

専門のアドバイザーに相談することで、自分では考えつかない最適なレイアウトが見つかるかもしれません。

「百聞は一見にしかず」

次の休日は、家族でショールーム訪問はいかがでしょうか。

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