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一級建築士が教える!失敗しない水まわりの間取りの考え方 前編 knowledge
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一級建築士が教える!失敗しない水まわりの間取りの考え方 前編

リフォームや新築を検討する際に、よく見かける「間取り図(プラン図)」。
しかし、なかなか図面を見ただけでは実際の生活をイメージしづらいという方も多いのではないでしょう。間取り図から新居の生活を想像するのは容易ではありませんが、それを怠ってしまうと、実際に暮らしてみて「こうしておけばよかった」と後悔してしまうことも。そこで、間取り図をどういうポイントで見ればいいか、どういう点に気をつけて見ればいいか、について一級建築士で、間取りに関する書籍も出版されている水越美枝子さんにお話しをお伺いしました。

まずこの前編では、「生活シーン」から水まわりの間取りを考える方法とコツをお伝えします。様々な住宅の間取りを実際に作られてきたプロでなければ気づきにくいポイントもありますので、ぜひご覧ください。

目次

水越美枝子(みずこし みえこ)先生

水越美枝子(みずこし みえこ)先生

一級建築士・キッチンスペシャリスト。一級建築士事務所アトリエサラを共同主宰。主に住宅設計の分野で、建築デザインからインテリアコーディネイトまで、トータルで住まい作りを提案している。日本女子大学非常勤講師、NHK文化センター講師。著書に『いつまでも美しく暮らす住まいのルール』など多数。

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「衣類の洗濯・収納」から間取りを考える

間取り図を見るときに、まず何から考えればいいか分からない。そんな方におすすめなのは、まず「衣類を洗う⇒干す⇒取り込む⇒たたむ⇒片付ける」の工程に着目するといいかもしれません。なぜならこの工程が日常生活のなかで、いちばん家のなかを大きく動き回りやすいからです。

まずは、この洗う・干す・取り込む・たたむ・片付けるの動線が効率的かどうかを考えてみましょう。例えば、洗濯機が家の1階にあり、干すバルコニーが2階、衣類を片付ける収納が1階にある家の場合、洗濯のたびに1階と2階を行き来する必要があり、かなりの家事労働になってしまいます。年齢を重ねて身体能力が落ちてきたときのことを考えてもあまり得策とはいえないでしょう。この衣類の一連の動線は、1階か2階のどちらかに集約できると効率の良い動線になります。

そのときに考えるポイントは、衣類を「外干しする」か「乾燥機または部屋干し」かです。たとえば2階バルコニーで外干しする場合は、洗濯機を設置する洗面所や、衣類収納を設置する寝室も同じく2階に配置したほうが効率的。洗う・干す・取り込む・たたむ・片付けるのすべての工程を2階で完結できます。

一方で、洗濯物の乾燥を洗面所の洗濯乾燥機で済ませる方の場合は、できるだけ洗面所の収納を多めにとって下着やパジャマ、部屋着などの衣類を洗面所に置くと、家事の負担がぐっと減ります。

また近年では、家族全員分の衣類収納する「ファミリークローゼット」も人気です。

ファミリークローゼットなら、家族の衣類をそれぞれの場所に移動して片付けることなく、1か所で完結できます。さらに洗濯機と乾燥機をファミリークローゼット内に設置すれば、洗う⇒干す⇒取り込む⇒たたむ⇒片付けるの全行程を1つの部屋で終わらせることもできます。
このように衣類を中心とした生活シーンから大まかな部屋の配置(ゾーニング)が適切かどうかを検証してみてください。

「キッチンからの景色」から間取りを考える

次に考えたいのは、キッチンです。キッチンは使いやすさなどいくつかの観点がありますが、ぜひ考えてほしいのは「景色」。多くの時間を過ごす場所ですから、キッチンに立ったときに見える景色を気持ちよくすることは、生活の質の向上につながります。逆にキッチンからの景色が殺風景だと、毎日の心地よさが下がってしまうかもしれません。

たとえばキッチンに立ったときに「庭が見える」または「窓から外の風景が見える」といいですね。もし正面が壁だったとしても、好きな色やデザイン、材質の壁にしておくといいでしょう。意外と気づきにくいポイントではありますが、住み心地を左右するポイントですのでぜひこだわっておきたいですね。

「育児」「来客」から間取りを考える

小さなお子様がいるご家庭は、育児の具体的なシーンをイメージすることもおすすめ。とくに小さなお子様の場合、リビングダイニングで身支度をするケースも多いでしょう。その場合は、お子様の着替えなどを収納するスペースをダイニングに確保するのもひとつの手段です。
また、小さなお子様がいるご家庭の場合、キッチンは料理中もリビングダイニングを広く見渡せるオープンキッチンがおすすめ。料理をしながらでもお子様の様子を見守ることができます。

ただし、フラットなオープンキッチンの場合、常に整理整頓・掃除をしていないと、急な来客時に片付いていないキッチンをお客様に見られてしまうことも。そういったケースが心配な方は、手元周辺を隠せる立ち上がりの収納が前面にあるタイプのオープンキッチンもおすすめです。

「音」から間取りを考える

間取りを検討する上で、意外と気づきにくいポイントのひとつに「音」があります。間取り図上では音は分かりませんが、水回りとリビングダイニングの位置関係を考える際には、トイレの流れる音を考慮するべきだと思います。

LDKと水回りは近すぎると、食事中やくつろいている時に、トイレの流れる音が頻繁に聞こえる場合もあります。トイレはLDK空間と同じ部屋にせずに、廊下や玄関ホールまわりに出す、離れた場所に置くなどの対応をしたいものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。間取り図を見る上で、意外と気づかないポイントもあったのではないでしょうか。次回は「サイズ編」と題して、水まわりの間取り図で気にしておきたいサイズ(幅・広さ・寸法)についてご紹介します。

間取りを考えるときに大切なことは「暮らしをイメージすること」です。悩んだ際は業者さまに相談してみてください。
キッチン専業メーカーのクリナップのリフォーム部門では水まわりはもちろん間取り変更など幅広いリフォームのご相談を承っています。

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