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ステンレスキャビネットの開発 development
3min
ステンレスキャビネットの開発

クリナップは、なぜステンレスにこだわり続けているのか?
それは、食べるものを扱うキッチンは、何より清潔であって欲しい、そうそう購入できるものではないから、できるだけ長持ちして欲しい、というお客さまの気持ちにお応えしたいからにほかなりません。木製キャビネットと同価格帯で清潔&長寿命のステンレスキャビネットを実現するための挑戦──そして誕生したのが【ステンレス エコキャビネット】。

当時の開発者の声とともにご紹介いたします。

目次

業界を驚かせた木キャビ同価格ステンレス​

クリナップのキッチンはどこが評価されているのか。扉の質感のよさや機能バリエーションなど、いろいろありますが、ステンレスキャビネット、というお客さまの声を良くお聞きします。

 「しかしながらステンレスのキャビネットは、すべてのお客さまの手に届きやすい商品ではありませんでした。そこでもっとお求めやすい価格帯の商品で、ステンレスキャビネットのよさを提供できないかということで始めたのが、このエコキャビ開発プロジェクトでした。」

 そして2011年6月、当時の主力価格帯商品クリンレディに導入された【ステンレス エコキャビネット】は、それまでの木製キャビネットと同価格、つまり値上げ無しでステンレスキャビネット化を成し遂げ、業界を大いに驚かせました。

 ステンレスこそキッチンにふさわしい素材であると標榜するメーカーの意地にかけて、技術の粋を集結させた結果となりました。

ステンレスの曲げ加工を駆使して構造強度をバランスよく高める

「当時のハイスペックなキャビネットは、補強材もふんだんに使って組み上げています。新しいキャビネットでは、まずは、その補強材を省けないか、というところから始まり、最終的には、全体に曲げ加工を駆使することで強さを出そうという方向性に進んでいきました。〈エコ〉という開発テーマもありましたし、ステンレス以外の材料を省くことで接着剤の使用も抑えられるからです。そうして、荷重に対して強度を必要とするポイントに曲げ加工を工夫することで、構造全体の強度をバランスよく高める作業を、地道に続けました」

接着剤を使わない簡易分解構造を採用

大きな壁となった蹴込み部分を新たなデザインに

ところが、そこに立ちはだかった大きな問題。足もとの蹴込み部分に生じる強度不足です。

 「直角に曲がっているため、ステンレスの曲げ加工でフォローできないのです。ここが一番の悩みどころでした。20回、30回と検討を重ねたでしょうか。最終的には、従来の蹴込みの形状に合わせる必要はないという判断で、斜めに切れ込みを入れる形状にデザイン変更。荷重を分散させることに成功し、ようやく仕様が完成しました」

 

強度の要の斜め蹴込みはさらに進化。今では直角形状に

最後に、ステンレス エコキャビネットの魅力を尋ねると、「気にしないで使えること」だといいます。汚れも臭いも染み込みにくく、木製キャビネットのように湿気による腐食も心配しなくていい……。

 「ステンレス エコキャビネットのよさが本当にわかるのは、10年後、20年後。そのときに、ぜひ、お客さまの評価をお聞きしたいものですね」

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