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20年以上前のキッチン「あるある」とは? 今どきキッチンとの違い、大解剖! reform
5min
20年以上前のキッチン「あるある」とは? 今どきキッチンとの違い、大解剖!

キッチンは食生活やライフスタイルなど、時代のトレンドがもっとも現れる場所。キッチンは、時代に合わせてどのように進化してきたのでしょうか。今回は、キッチンの収納や使い勝手などの変化を見てみましょう。

目次

監修:Yuu先生

監修:Yuu先生

住宅リフォームコンサルタント Yuu(本名 尾間紫)
一級建築士事務所OfficeYuu代表。「リフォームガイド」として本当に満足するためのノウハウをテレビ・雑誌・web・講演などを通して提供中。これまで30年以上にわたり、一級建築士、 インテリアコーディネーター、住宅リフォームコンサルタントとして数多くの住宅の相談を受けている。

著書:リフォームを頼む前に読む本、リフォームはこうしてやりなさい、他
監修: 積算資料ポケット版リフォーム編、他
受賞:住まいのリフォームコンクール優秀賞受賞、他
講演:日経住まいのリフォーム博、マンションリフォーム推進協議会、他
メディア:TV・ラジオの監修・出演、新聞・雑誌・webの執筆

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キッチントレンドも刻々と変化

キッチンはライフスタイルの変化が現れる場所

時代は昭和初期。台所は,家の北側の日が差さない場所に配置されていました。まだ家庭には冷蔵庫がなかった頃で、食材が腐らないようにというのが理由のひとつだと言われています。

戦後、住宅団地が登場し「台所兼食堂」の考え方が住まいにとり入れられるようになり、家族が過ごす部屋と同じ空間で食事をつくる、今の「ダイニングキッチン」の原型になりました。

昭和初期の台所例

居室にキッチンが配置されるようになってからも、しばらくは「キッチン=隠す場所」という意識が一般的で、吊戸棚や食器棚で囲って、見えにくいように配慮されていました。
しかし時代が進むにつれ、キッチンは家族が集う場所になり、さらにはお客様をもてなす場としての役割も持つように。

また働く女性が増え、スムーズな家事動線、家事をしながら家族とコミュニケーションを取れることもキッチンに求められるようになりました。
世相の移り変わりとともに、対面式のキッチンが主流に。アイランドキッチン、ダイニングとキッチンを一体化したカウンターキッチンなども登場し、キッチンはコミュニケーションを楽しむ場に進化したのです。

レイアウト以外にも、その時代のトレンドがよく現れるキッチンパーツが「収納」。では収納がどのように変化してきたのかを探ってみましょう。

20年前のキッチン収納「あるある」

奥行きはたっぷり。でも手前のモノしか使わない

かつてのキッチン収納の主流は「開き扉タイプ」。奥行きも高さもたっぷりありますが、奥のモノが取り出しづらいというデメリットがあります。また、しゃがむ・かがむことで体への負担も大きくなります。

高さもたっぷり。でも活用できずスカスカ……

扉タイプの収納は、「高さ」を活用しづらいという特徴も。ボトル調味料を立てて置き、その上はガランと空いたまま。

上部に空いた空間に手を伸ばし奥のモノを取り出すこともありましたが、ときには手前に置いてある調味料などに引っかかり、倒れてしまうことも……。

重ねて平置き。調理道具の捜索から料理がスタート

従来の扉タイプの収納の場合、大きな鍋やフライパンに小さなものを入れ子のように重ねて収納している家庭もたくさんありました。
これから使う調理器具を探すのにひと苦労……ということも。

独立型レイアウトで、食後の団らんは蚊帳の外

食器棚や吊戸棚に囲まれたキッチンは、ちょっぴり孤独でした。かつて「料理に集中できる」と人気のあった独立型キッチンも、核家族化が進むにつれて、一人でキッチンに立たねばならない空間に。
対面式キッチンでも、吊戸棚とキッチンカウンターの隙間から家族の会話に参加することは難しく、孤立感を感じる人も多かったようです。

吊り戸棚も合わせて収納は“たっぷり”優先主義

結婚式の引き出物でもらった食器、お正月などにしか使わない重箱、漬物用の大きい容器など、“普段使わない”食器類がある家も多く、キッチンには収納量が求められました。
そのため、シンク下やコンロ下収納だけでなく、キッチン上のスペースを有効活用する吊戸棚もしっかり備えられる傾向に。

20年前との新旧キッチン比較

8動作から3動作へ

20年前に主流だった扉タイプのキッチンと、現在のスライド(引き出し)タイプのキッチンを比較してみましょう。

スライドタイプの登場によって、奥や上部のデッドスペースを上手に活用できるようになり、収納量が大きくアップ。同時にモノを出し入れする際の「動作」にも大きな変化が!
扉タイプの場合、「しゃがむ」「探す」「奥のモノを取るために手前のモノをどかす」など一連の8動作が必要でしたが、スライドタイプのキッチンなら、姿勢をほとんど変えることなく「開ける」「取り出す」「閉める」のたった3動作で完了。

洗練されたデザインだけでなく、効率的に作業ができること、より体にやさしく誰でも使いやすいことなどを叶えられるよう、キッチンは進化してきたのです。

使いやすさメインのデザインへ

最新のキッチンでは「使いやすさ」が何より重視されるようになりました。

例えば、共働き家庭の増加に伴い、時短や家事楽などのニーズが高まり、お手入れがラクで火の通りの早い「IHクッキングヒーター」、後片付けの時間が大幅に短縮できる「食器洗い乾燥機」、少ない手間で美味しい料理に仕上げる「多機能型電子レンジ」や「自動調理器」などを購入する家庭が増加。
新しい家電をすっきり収納する家電収納が充実し、食器洗い乾燥機やIHクッキングヒーターを組み込んだシステムキッチンも登場しました。

また社会の高齢化を受けてバリアフリーへの関心も高まり、踏み台を使わないとモノの出し入れができない吊り戸棚は減少傾向に。
吊り戸棚をなくすことでリビングダイニングとオープンにつながるようになり、子育て中の若い世代にとっても家族のコミュニケーションという面で使いやすくなっているようです。

まとめ

時代によって移り変わるライフスタイルに合わせて、使う人によりやさしいデザインへと進化し続けているキッチン。10年後、20年後にどのようなキッチンがトレンドになるのかわかりませんが、キッチンに立つ一人ひとりが「どんな暮らしを送りたいかを具体的にイメージすること」が、未来のキッチンにつながります。

ぜひ「理想の暮らしを描こう!キッチンリフォームNOTE」を参考に、自分らしく楽しめる空間を思い描いてみてはいかがでしょうか。

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