キッチンと暮らしのまん中で輝く人
教室ストーリー
【前編】森の山荘で過ごす、特別な料理時間。「山のフレンチレッスン」へ
森の中に叶えた、フランスの田舎のようなキッチン

空間を美しくしてくれるものだけを出し、生活感を見せない工夫も
玄関を開けると、広々とした空間の先に、大きな窓いっぱいに広がる鮮やかな緑。思わず深呼吸したくなるような爽やかな空気の中、この山荘の中心にゆったりとしたアイランドキッチンがあります。
「目指したのは、まるでフランスの田舎で過ごしているような非日常感を味わっていただくこと。心地よい自然に包まれながら、料理に没頭できる空間をつくりたいと思いました」
そう話す西丸先生。
キッチンづくりで大切にしたのは、どこに立っても窓の外の緑を眺められること。そして、複数の生徒さんが自由に動いてもぶつからないゆとりある動線や、効率よく作業できる使いやすさです。美しさだけでなく、料理教室の場としての実用性にも細部までこだわり、理想の空間を形にしていきました。
実際にレッスンに参加した生徒さんからも、「こんなに気持ちよく料理ができるキッチンは初めて」「キッチンに立つだけで料理がしたくなる」と大好評。キッチンに立つことも、ここで過ごす楽しみのひとつになっています。

おもてなしの心が伝わる美しいテーブルセッティングでお出迎え
そんな特別な山荘で開かれるレッスンは、ひと夏に8回。都心から新幹線やバスを乗り継ぎ、小旅行のような気分で訪れる生徒さんも多いそうです。
その期待に応えるように、西丸先生は料理や飲み物はもちろん、テーブルのしつらえからスリッパなどの小物まで、心地よく過ごしてもらうための準備を細やかに整えます。「ここまで来てよかった」と思ってもらえる一日にしたい、そんなおもてなしの心が伝わってきます。
料理の向こうにある文化まで。フランスを旅するようなレッスン

心地よい空間に包まれながら、レッスンの開始です。
まずは着席して、生徒さん一人ひとりの自己紹介から。毎回必ず設けている時間だそうで、会話を交わすうちに思いがけない共通点が見つかり、初対面の生徒さん同士も自然と打ち解けていきます。
続いて、レシピの説明へ。西丸先生が目指すのは、特別な日に一度だけ作る料理ではなく、毎日の食卓で何度も作りたくなる、シンプルで再現性の高い料理。上質な食材と良質な調味料を使い、家庭でも無理なく再現できることを大切に、一皿一皿がその家の「定番」になるようレシピを組み立てています。
そして、レッスンで何より大切にしているのが、「なぜ、この作り方なのか」という理由と、その料理の背景まで伝えること。
「理由を理解していただくことで、ご家庭でも応用できるようになります。また、料理はその土地の文化です。その料理が生まれた由来や歴史、人々の暮らし、ワインとの組み合わせ、旅先でのエピソードなども交えてお伝えしています」
レシピを習いながら、その一皿が生まれた土地へ思いを馳せる。西丸先生のレッスンには、まるでフランスを旅しているような楽しさがあります。

今回のレッスンテーマは、「大人の夏を愉しむ、ムールパーティ」。
広島から取り寄せた新鮮なムール貝を主役に、前菜やサラダ、ピザ窯で焼き上げるタルト・フランベ、虹鱒のコンフィ、フランス直輸入のチーズやシャルキュトリー、デザート、さらに山中湖近隣で人気のブーランジェリーのバゲットなど、夏のおもてなしを存分に愉しむ、心躍るメニューが並びます。
メニューをしっかり理解したら、キッチンへ移動して西丸先生のデモンストレーションの開始です。
食材の扱い方や切り方、調理のポイントはもちろん、調味料の選び方やアレンジのアイデアまで、たくさんの情報にメモが追いつかないほど。ウィットに富んだ西丸先生の楽しいレクチャーに、皆さんぐんぐん引き込まれていきます。
途中、生徒さんも食材のカットや調理を分担。ゆったりとしたアイランドキッチンは複数人でも作業しやすく、どこからでも先生の手元を見渡せるため、大切な調理のポイントを見逃しません。美しさと使いやすさを両立させたキッチンだからこそ、学びの時間もいっそう充実します。
さて、どんな料理が完成するのでしょう。
レッスンの続きと、緑に囲まれた庭で楽しむ試食タイムの様子は、後編でご紹介します。
どうぞお楽しみに。
インタビュー・文:窪田みゆき
撮影:松田恩美








