「これからキッチンを手に入れるなら、対面式。
対面式の中でもさらにゴージャスなアイランドキッチン派も入れれば、80%以上がキッチンの対面式レイアウトを支持している。日本は、対面キッチン大国になろうとしている。
ただし、いいことづくしのキッチンと考えるのは待った方がいい。リビングの中心にあるキッチンは、素敵なインテリアとして大きな存在感を持つ。
その一方で、キッチンは人に見られたくない場所だということも忘れてはいけない。
ただでさえインテリア雑誌のように生活感のない素敵な空間を保つのはとてもたいへんだ。
キッチンを部屋のどこからでもすっかり見渡せるフラット対面型では、汚れた食器や使った調理器具を放置してはおけない。
料理をしては、使った包丁やまな板、フライパンや調味料を片付け。食事の後は、なるべくスピーディに洗い物をすることを要求される。
ちょっとした食事やドリンクを楽しむために用意したキッチンカウンターが、子どもの学校の書類、雑誌、雑貨、つまみ食いしたお菓子の箱、さらには脱ぎ捨てた帽子や上着などに占領され、たちまち悲惨な物置スペースと化してしまうこともよくある話だ。
余談ではあるが、家族だから喧嘩する日だってある。
仏頂面のダンナがソファーでふんぞり返ってテレビを見ている姿を見ながら、あなたは心静かに調理できるだろうか。
対面キッチンで育つこれからの子ども達は料理を作る母の背中ではなく、顔色をうかがって育つことになるのかも。
どんなに仲の良い家族だったとしても、いつも顔をつき合わせているわけにはいかない。
心地よさの条件は、複雑だ。
まとめ
- 対面式は素敵なインテリアとして大きな存在感を放つ
- ただし、キッチンが丸見えになるため、生活感のない素敵な空間を保つには、汚れた食器やフライパンなどすぐに片付けることが必要